最新記事
事件

「化粧品や性玩具」の小包が爆発、欧州を震撼させる連続事件の実態...ロシア関与の疑いが浮上

2025年4月12日(土)17時40分
欧州各国で郵便物が爆発する事件が発生

偽の化粧品と複数のマッサージ器、性玩具。粗悪な自家製爆発物。写真は、共産主義時代に建てられた文化科学宮殿。4月2日、ワルシャワ中心部で撮影(2025年 ロイター/Kacper Pempel)

偽の化粧品と複数のマッサージ器、性玩具。粗悪な自家製爆発物。「戦士」として知られるロシア人、そして「メアリー」という合言葉──。

昨年7月、イギリスとドイツ、そしてポーランドの国際物流倉庫で、小包が爆発する事件が3件相次いで発生した。ロシア主導の破壊工作とみられる各事件を結びつける共通項が、上述した要素だったことが、ポーランド当局の捜査に詳しい人物の話で明らかになった。

その人物によれば、小包に入っていたマッサージ器には高反応性のマグネシウムを含む化学物質の混合物で作られた自家製の発火装置が隠されていた。この化学物質は安価な中国製の電子機器を改造した時限式起爆装置で点火され、同梱された化粧品の様なチューブに仕込まれたニトロメタンなどの可燃性化合物のジェルによって爆発の効果が増幅された。

「これは、ロシアのGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)に触発された犯罪行為を示すものだ」と、この人物は述べた。

ロイターは、ポーランド捜査に近い情報筋から提供された情報や、十数人の欧州安全保障当局者へのインタビューを基に、捜査の詳細をここに初めて報じる。調査結果は、破壊活動がどのように展開されるかについて、貴重な識見を示すものだ。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ドルは上昇へ、債券市場の小さな問題は解決=トランプ

ビジネス

トランプ氏、スマホ・PCなど電子機器の関税を免除 

ワールド

アングル:中国にも「働き方改革」の兆し、長時間労働

ワールド

グリーンランドに「フリーダムシティ」構想、米ハイテ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    車にひかれ怯えていた保護犬が、ついに心を開いた瞬間...胸に顔をうずめた姿に世界が涙
  • 3
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助けを求める目」とその結末
  • 4
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 7
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    娘の「眼球が踊ってる」と撮影、目の「異変」は癌が…
  • 10
    ひとりでさまよっていた老犬...盲目で耳も聞こえず、…
  • 1
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    凍える夜、ひとりで女性の家に現れた犬...見えた「助…
  • 5
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 6
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    「やっぱり忘れてなかった」6カ月ぶりの再会に、犬が…
  • 9
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 10
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中