「化粧品や性玩具」の小包が爆発、欧州を震撼させる連続事件の実態...ロシア関与の疑いが浮上

偽の化粧品と複数のマッサージ器、性玩具。粗悪な自家製爆発物。写真は、共産主義時代に建てられた文化科学宮殿。4月2日、ワルシャワ中心部で撮影(2025年 ロイター/Kacper Pempel)
偽の化粧品と複数のマッサージ器、性玩具。粗悪な自家製爆発物。「戦士」として知られるロシア人、そして「メアリー」という合言葉──。
昨年7月、イギリスとドイツ、そしてポーランドの国際物流倉庫で、小包が爆発する事件が3件相次いで発生した。ロシア主導の破壊工作とみられる各事件を結びつける共通項が、上述した要素だったことが、ポーランド当局の捜査に詳しい人物の話で明らかになった。
その人物によれば、小包に入っていたマッサージ器には高反応性のマグネシウムを含む化学物質の混合物で作られた自家製の発火装置が隠されていた。この化学物質は安価な中国製の電子機器を改造した時限式起爆装置で点火され、同梱された化粧品の様なチューブに仕込まれたニトロメタンなどの可燃性化合物のジェルによって爆発の効果が増幅された。
「これは、ロシアのGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)に触発された犯罪行為を示すものだ」と、この人物は述べた。
ロイターは、ポーランド捜査に近い情報筋から提供された情報や、十数人の欧州安全保障当局者へのインタビューを基に、捜査の詳細をここに初めて報じる。調査結果は、破壊活動がどのように展開されるかについて、貴重な識見を示すものだ。