最新記事
スロバキア

「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派組織兵」の詩人だった

2024年5月20日(月)12時20分
カーロ・ベルサノ、ブレンダン・コール
事件現場で取り押さえられたチントゥラ

事件現場で取り押さえられたチントゥラ(中央) RADOVAN STOKLASAーREUTERS

<白昼堂々のスロバキア首相暗殺未遂事件の衝撃、そして犯人の皮肉な正体について>

白昼の暗殺未遂事件だった。5月15日、スロバキアのフィツォ首相が同国中部での政府会合の後、外に出たところで至近距離から銃撃された。容体は安定しているものの深刻な状態が続いているという。

現場で拘束された犯人は、南西部レビツェに住む作家・詩人のジュラジ・チントゥラ(71)だと、現地メディアは報じた。元警備員で、合法的に銃を所持していたという。

隣国ハンガリーのある調査報道ジャーナリストによれば、チントゥラは親ロシア派組織「スロバキア人徴集兵」の関係者だった。一昨年まで存続した未登録の民兵組織で、指導者は元ロシア軍特殊部隊員から訓練を受けていた。

フィツォは昨年9月の総選挙後、3度目の首相に就任。選挙戦中はウクライナへの軍事支援停止を公約に掲げ、対ロシア制裁を非難していた。

親ロシア派首相が、親ロシア派のナショナリストに襲撃されるとは......。あるフェイスブックユーザーの投稿どおり、まさに運命の皮肉だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

為替、投機的な動向含め高い緊張感持ってしっかり注視

ビジネス

中国新築住宅価格、9月は前年比-5.8% 15年5

ワールド

ウクライナ、ザポロジエ原発の安全性維持呼びかけ 仏

ビジネス

中国9月鉱工業生産は前年比5.4%増、予想上回る 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
2024年10月22日号(10/16発売)

米大統領選を揺るがす「オクトーバー・サプライズ」。最後に勝つのはハリスか? トランプか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くその正体
  • 3
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせる作戦か、戦争でタガが外れたのか
  • 4
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 5
    ナチス・ドイツの遺物が屋根裏部屋に眠っていた...そ…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    シドニー・スウィーニーの最新SNS投稿が大反響! 可…
  • 8
    東京に逃げ、ホームレスになった親子。母は時々デパ…
  • 9
    北朝鮮を訪問したプーチン、金正恩の隣で「ものすご…
  • 10
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明かす意外な死の真相
  • 4
    『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思…
  • 5
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 6
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 7
    東京に逃げ、ホームレスになった親子。母は時々デパ…
  • 8
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 9
    ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリ…
  • 10
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 6
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    キャサリン妃がこれまでに着用を許された、4つのティ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中