最新記事

中国

米議事堂乱入に中国は「狂喜」するが......信じたいアメリカの修復力

2021年1月10日(日)18時41分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

環球網なので、そこに付いているコメントは穏やかなものしか残されてないが、それでも以下のようなものが見られた。

●アメリカにはしばらくこのまま(乱闘を)続けて欲しい。じっくり眺めて楽しみたいので、(問題が解決しないように)そっとしておこう。

●ああ、何という「美しい光景」だ!

●ペロシ―も、同じ光景を見ているのだから「ああ美しい光景だ」と言わなきゃダメでしょ?

●200年間アメリカが奉ってきた「民主」って、こういう光景なのね?

●アメリカが乱れれば乱れるほど素晴らしい。

●「光復米国、時代革命」(筆者注:これは「光復香港、時代革命」をもじったもの)

●この美しい風景は実に素晴らしいね。ずっと演じていてよ。この風景、大好きだよ!

狂喜乱舞する中国のネット

1月7日の中国のネットは、まさに「狂喜乱舞する」と表現しても過言ではないほどの激しい熱狂ぶりだった。アメリカ駐在の中国メディアの動画やアメリカ大手の動画の転載だけでなく、現場にいた在米中国人個人による録画も掲載され、引っきりなしに数多くの現場の状況がネットを賑わした。

動画の画面に中国語で好き放題書き込んでいるというものが多いが、その中の何枚かをご覧に入れたい。写真の下に、画面に書き込まれている主なコメントを和訳して示す。

endo20210110164301.jpg

●美しい光景

●これがアメリカ人民の正義行動

●われわれに民主と自由を見せてくれたアメリカに感謝する。

●中国は「アメリカを軍事支援する方案」を制定した方が良いかもしれないね。

endo20210110164302.jpg

●アメリカ人民が国会を占拠する権利を有することを支持する。

●アメリカって世界中であんなに沢山のビロード革命を支援してきたのに、結局今回は自分の国で起きるビロード革命支援に回ってきたね。

●見てごらんよ。彼らが最も主張しているのは「自由」だよ。

●(トランプ)支持者たちに感謝だ。彼らはきっとご飯を食べられないんだね。公平のために戦ってるんだ。(筆者注:飯と範の発音が同じなのでミス変換か)

endo20210110164303.jpg

●民主と自由

●民主政治

●美しい国が民主を実現することを支持する

●「国会に侵入してきた目的は何ですか?」(記者)、「さあ、知らない」(乱入者)

●まあ、アメリカの半分ほどの人が(選挙結果)を認めないということを世界に知らしめたという意味では、彼らは成功したんだろうね。

       ・・・

これらは膨大に沸き上がってくる画像と動画とコメントのほんの一部に過ぎないが、少なくとも熱狂ぶりがうかがえるだろう。これが中国大陸ネットの状況なのだ。どの国よりも強烈で熱く激しいだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中