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宇宙の真理にまた一歩近づく、画期的なX線宇宙マップが初公開

Incredible X-Ray Map of the Universe Like You've Never Seen It Before

2020年7月10日(金)14時40分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)

「この天体マップの完成を待ち望んでいた」と、MPEの研究者マラ・サルバートは声明で語っている。「天体の多くの部分はすでに多くの波長で観測が行われている。今回のX線観測はそれらに匹敵するデータだ。過去の観測結果と合わせて、X線天体を特定し、その性質を解明したい」

研究チームによると、今回のような詳細なX線観測は、宇宙の膨張と、膨張を加速させる謎の力として知られる「ダークエネルギー」の解明に役立つという。今後3年半に渡って「eROSITA」は全天の観測を続け、今回と同様の宇宙マップを7回作成する予定だ。

「わずか半年で100万の天体を捉えた『eROSITA』は、X線天文学に革命を起こした。しかしこれはまだプロジェクトの幕開けに過ぎない」と、MPEの高エネルギー天体物理学研究チームのリーダーを務めるキルパル・ナンドラは声明で語っている。

「我々はすでにこれまで可能だったレベルよりも相当に多くの、宇宙に関するデータを収集した。今後数年間で、さらに進んだ調査を行うことが可能になり、最初の宇宙の構造や超巨大ブラックホールの形成について解明できるようになる」

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