女性の着替えやトイレを監視──入管が組織的セクハラ
答弁する森まさこ法務大臣(写真中央)衆議院インターネット審議中継より
迫害から逃れてきた難民や日本で結婚しているなど、自国に帰るに帰れない事情を抱えた人々を法務省・出入国在留管理庁(入管)が収容施設に拘束(=収容)している問題で、また新たな不祥事が発覚した。収容中の女性達をそれぞれ独房に閉じ込め、24時間、ビデオカメラで監視。着替えやトイレの様子までも覗いていたのだという。今月8日の法務委員会でのやり取りで、入管側が認めた。
組織的セクハラ、森法相も対応を明言
今年に入って、入管の収容施設では、被収容者のハンガーストライキが続発している。「東京オリンピックのため安心安全の確保」を口実に、入管が2年以上の長期収容を常態化させているためだ(関連記事)。東京入管では、今年の夏頃、ハンガーストライキを行っていた女性の被収容者3名を「懲罰房」と呼ばれる独房に監禁。その部屋は、天井にカメラが設置されており、女性達が着替えやトイレで排泄をしている姿も常時監視される状態になっているという。この質儀に先立ち、入管側は仕切りをトイレのまわりに設置したものの、後述のようにカメラの位置から、やはりトイレが見えてしまう状態なのだ。
入管による女性監視を追及する初鹿議員 衆議院インターネット審議中継より
この問題について、今月8日の法務委員会で初鹿明博衆院議員が問いただしたところ、入管の高嶋智光次長は「部屋によるがトイレの部分が(監視カメラに)映る部屋もある」と認めた。
初鹿議員はさらに「大臣、女性の収容者がトイレをしている姿を(監視カメラで)映されているというのは、人権上、問題だと思いませんか?」と問いただす。「大臣がもし、自分がその部屋に何ヶ月かいたら、どう思います?これは、非常に不安ですし、嫌ですよね?」「今後は是非(着替えやトイレをしている姿が)カメラに映らないようにしていただきたいのと、東京入管に行って自分の目で確認してきて下さい」(同)。
これには、さすがに森まさこ法務大臣も「(初鹿)委員のご指摘は大変重要だと思います。トイレの時に、カメラに映らないようにするということは、人権に配慮することでありますので、適正な処遇に務めたいと思います」と答弁。処遇改善の意向を示した。
泣き叫んで抗議しても無視、摂食障害や自殺未遂も
この法務委員会でのやり取りに先立つ今年10月上旬、筆者は、東京入管でハンガーストライキをして懲罰房に監禁された女性3人のうち、2人に面会し話を聞くことができた。