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ネイチャー「怠け者の種」は生存率が高いことがわかった──代謝率と絶滅の関係調査
「怠け者の種」は生存率高いことがわかった hansgertbroeder-iStock
<米カンザス大学などが、貝類などの代謝率と絶滅の関係を調査したところ、代謝率が低い「怠け者の種」ほど、生き残る確率も高くなるということがわかった...>
貝類などの現存種と絶滅した種の化石から、代謝率と絶滅の関係を調査したところ、代謝率が高い種ほど絶滅する確率も高くなることがわかった。代謝率の低い「怠け者」の種のほうが、生存率が高いことになる。
カンザス大の研究
米カンザス大学などの研究者チームが実施した調査で、英王立協会が刊行する生物学分野の学術誌「Proceedings of the Royal Society B」(王立協会紀要B)に論文が掲載された。
研究チームは、現存種と絶滅種のサンプルの入手しやすさから、西大西洋の貝類を対象に調査を実施。鮮新世中期から現在まで約500万年間に生息した299種の軟体動物(二枚貝と腹足類)の代謝率(個体が1日生きるのに必要とするエネルギー量)を分析した。
その結果、絶滅した種の代謝率は、現存種よりも高くなる傾向が見られた。代謝率が低いほど、生き残る確率も高くなるという。
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コミュニティー全体でエネルギー摂取量は一定
研究チームはまた、新種の登場と既存種の絶滅が繰り返される過程のなかでも、各種が属するコミュニティー全体の累積的な代謝率は安定していることを発見した。エネルギー摂取の点で、コミュニティーのある種が絶滅しても、新種が誕生したり、既存種の個体数が増えたりして、バランスが保たれるからだという。
数百万年の間に、無数の種が絶滅したにもかかわらず、コミュニティー全体のエネルギー摂取量は変わっていないとしている。研究チームは、こうした研究成果を他の海洋生物に一般化できると考えているが、他の生物群にも当てはまるのかどうかは今後の研究課題だとしている。