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WTOトランプ政権、WTO紛争処理機関の欠員人選作業を阻止
11月27日、世界貿易機関(WTO)の紛争処理で最終審に当たる上級委員会の欠員を巡り、トランプ米政権が新委員の選出を阻止している問題で、加盟国の代表らは紛争処理機能に支障を来たさないよう対策を協議している。ジュネーブで会見するWTOのアゼベド事務局長(2017年 ロイター/Denis Balibouse)
世界貿易機関(WTO)の紛争処理で最終審に当たる上級委員会の欠員を巡り、トランプ米政権が新委員の選出を阻止している問題で、加盟国の代表らは紛争処理機能に支障を来たさないよう対策を協議している。
WTOのアゼベド事務局長は記者団に「加盟国はすでに、この状況にどのように対処すべきかについて話し合っている」と述べた。「今後の進展を見守りたい」とした。
上級委員会委員の定数は7人で、各訴訟についての判断には3人が賛成する必要がある。ただ、現在2人の欠員があり、12月にはもう1人の委員が任期終了となるため、残る4人の委員で未処理の貿易紛争を審査することになる。
アゼベド氏は、この状況をWTO存続へのリスクとは考えないとしたが、すでに影響が出始めており、問題が長期化すれば影響がさらに大きくなると警告した。
上級委はすべての加盟国に27日付で機密扱いの文書を送付し、今後退任する委員は退任前に提訴された事案について、退任後も関わることになると説明。ロイターが文書を確認した。米国は過去に、こういった慣行に反対を表明している。
委員選出には加盟164カ国・地域が全会一致で賛成する必要がある。
アゼベド氏によると、トランプ政権は世界の貿易システムについて懸念があると表明しているが、上級委の選出作業を阻止する決定と具体的なWTO改革への要請を結び付けてはいないとう。
トランプ政権は、人選作業を阻止する理由を公式に説明していない。複数の専門家は、多国間の枠組みよりも2国間の通商協定を好むトランプ氏の考え方を反映しているようだと指摘する。
貿易担当の当局者らと外交官などは27日に公開討論会を開催し、上級委でさらに欠員が増えた場合の危機対応策を協議した。解決策としては、委員選出を多数決制に変更する、または欠員が埋まらない限り現行委員がさらなる上訴を受け付けない案などが浮上している。
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