ロンドンテロ 地獄のような襲撃現場で必死の応戦をした市民たち
6月4日、英ロンドン中心部で歩行者などを襲撃された事件では、ロンドン市民が椅子やテーブルを男らに投げつけるなどして応戦する場面があった。写真は4日、現場のロンドン橋付近を調べる捜査官ら(2017年 ロイター/Neil Hall)
英ロンドン中心部のロンドン橋などで3日夜、3人の男がワゴン車を暴走させたうえ刃物で歩行者などを襲撃した事件では、ロンドン市民が椅子やテーブルを男らに投げつけるなどして応戦する場面があった。
犯行グループは、警察官に射殺される前に、少なくとも7人を殺害し、50人近くを負傷させた。彼らはまず、大勢の人々がいたロンドン橋の歩道にスピードを出して突っ込んだ。
「群衆のいる場所を狙った様に見えた」と、コンサルタントのマーク・ロバーツさん(53)はロイターに語った。ワゴン車が蛇行しながら暴走した後に、少なくとも6人が倒れているのを見たという。「とても恐ろしかった」
男たちはその後、ナイフを振り回し、バーやレストランで土曜の夜を楽しむ人たちで混雑する食品市場「バラマーケット」を襲った。目撃者は、地獄の様な光景を見たと話す。
ジェラルド・バウエルさんはスカイTVに対し、数人が刺された現場のサザーク・タバーンというパブの近くの路上にいたところ、「刺された。刺された」と叫ぶ声を聴いたと話した。「冗談かと思った」
次に、男が「これはアラーのためだ」と叫びながら女性と男性を1人ずつ刺すのを目撃した。バウエルさんは、男たちの気をそらせようと声を上げた。
「彼らの去り際、私は『おい、おい。臆病者め」と叫んだんだ」と、バウエルさんは話した。「物を投げつけて注意を引こうとした。ボトルや椅子を投げつければ、奴らは私を追いかけてくるだろうと思った。もし追いかけて表通りに出てくれば、警察が奴らを止めてくれる。警官が銃を撃てると思った」
英国の鉄道警察幹部は、警棒1つで襲撃犯に立ち向かい、負傷した警察官について、「任官から2年もないが、傑出した勇気を示してくれた。非常に誇りに思っている」との声明を出した。