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情報セキュリティFBIが露カスペルスキーを捜査 米上院は軍のソフト使用禁止提案
6月28日、米上院軍事委員会は、ロシアの情報セキュリティー大手カスペルスキー研究所の製品を米国防総省で使用することを禁止する内容を盛り込んだ国防予算案を承認した。写真はモスクワにあるカスペルスキー研究所。2013年7月撮影(2017年 ロイター/Sergei Karpukhin)
米上院軍事委員会は28日、ロシアの情報セキュリティー大手カスペルスキー研究所の製品を米国防総省で使用することを禁止する内容を盛り込んだ国防予算案を承認した。また、27日夜には米連邦捜査局(FBI)がカスペルスキー研究所に対する捜査の一環として同社の米国社員から事情聴取した。
関係筋によると、FBI捜査官は27日夜、米国の複数都市で同社社員宅を訪問した。捜査令状はなかった。
カスペルスキー研究所は28日、FBI捜査官が一部の米国社員と「短時間やり取りした」とする声明を発表した。
これとは別に、米上院軍事委員会は28日、委員会で可決された国防予算法案を公表した。法案には、「ロシア政府の影響を受ける可能性がある」としてカスペルスキー研究所のソフトウエアを国防総省で使用することを禁止する内容が盛り込まれた。
法案にこの修正を加えたジーン・シャヒーン上院議員(民主党)は、米議員やトランプ政権当局者の間では、特に国家安全保障に不可欠なコンピューターシステムなど重要なインフラを守る上でカスペルスキー研究所を信頼することはできないというのが共通認識だと述べた。
カスペルスキー研究所は28日、「確かな証拠もなく当社が不当に非難されていることは容認できない」とする声明を発表した。
カスペルスキー研究所のセキュリティーソフトを巡っては、米情報当局の高官が5月に上院情報委員会で、米政府による使用について見直しを行っていると証言している。