即興劇の女優が教えるクリエイティビティの5原則
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<ビジネスパーソンがクリエイティビティを発揮するには、どうすればいいか。「演技」、特に「即興演技(インプロ)」の考え方を応用した5つの原則とは?>
子どもの頃、初めて補助輪の付いていない自転車のサドルにまたがった時、あなたはどうやってそれを走らせたらいいか、わからなかった。だが、自転車の乗り方を覚える最大のコツは、すでに乗り方を知っているかのように「振る舞う」ことだったはずだ。「振る舞う」こと、すなわち自転車乗りを「演じる」ことで、実際に自転車に乗れるようになった。
子どもの頃の学習の多くは、自転車に乗る方法の覚え方と共通している。すなわち、「振る舞う」「演じる」という方法だ。これらは子どもの「遊び」の中で行われる動作でもある。ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーは、幼少期の発達と学習における社交性や「遊び」「演技」の要素の重要性を指摘している。
子どもとは違い、遊んだり、演じたり、誰か別の人のように振る舞ったりすることは、大人にとって自然なことではない。だが、実は大人になっても成長できるし、発達は続くのだ。小さい頃のように「演技」や「遊び」をすればいい。
「"なるには(becoming)"原理」は、5つの基本原則で構成されている。これらの原則といくつかのエクササイズは、あなたのものの見方と行動を劇的に広げてくれるはずだ。
原則1:成長することを選択する
成長を阻む最大の原因の1つは、「やり方を知らなければならない」という思い込みだ。もちろん、物事を知っているのに越したことはない。だが、「知っていなくてはならない」と考えすぎると、学習と成長のチャンスを逃すことになる。ここで、成長のためのエクササイズを紹介しよう。
知識を捨てる:
「答えを知っている人」(もしくは「答えを知りたがる人」)ではなく、「答えを知らない人」を演じてみよう。次のようなフレーズを口にするといい。「まったくわからない!」「ちょっと落ち着いて考えてみよう」「はっきりした答えは出ないようだ」
不可能と思っていたことをしてみる:
自分自身を「そんなことは到底できない」と言わざるを得ないシチュエーションに置いてみよう。「どうやってやればいいかわからない」あるいは「得意じゃない」ことに相対してみることだ。思い切って新しい課題に手を伸ばしてみる(普段なら進んで参加しないようなプロジェクトに手を挙げるなど)。
原則2:調和を重視する
素晴らしい演技は、(たとえソロの場面であっても)1人だけでは生まれない。最もクリエイティブでイノベーティブ、そして効率的な仕事環境は、周囲の人々と調和のとれた関係が維持されている時に実現する。とりわけ、それぞれ異なるスキルや経験、気質、バラエティに富んだ意見を持つ人々による「調和」が望ましい。こんなエクササイズを試してみてほしい。
一人称を複数形にする:
数日間、「私」と言うべきところをすべて「私たち」にしてみよう。そこで自分が何をどのように言うかに注目する。そして、同僚たちがどういう反応をするかを観察する。
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原則3:聴くこと。それは対話を変革する
作家のマーク・トウェインがこんなことを言っている。「お互いにコミュニケーションをとろうとするのをやめてみよう。そうすれば私たちは"対話"を始められる」
真の対話ができるかどうかは、いかにきちんと「聴く」ことができるかにかかっている。誰かが話をしている時、私たちは実際は「聴く」ことをしておらず、次に何を言うかを頭の中で組み立てていることが多い。次のようなことをやってみるといい。
「聴く」を優先させる:
1対1の対話で相手の話に集中するとともに、次にどんなことを言うのか推測するのをやめる。自分が答える前に、いつもより長く時間を置く。
【参考記事】部下の話を聞かない人は本当のリーダーではない