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火災英高層マンション火災、死者12人に 子供を救うため外へ投げる人も
6月14日、英ロンドン中心部にある24階建て高層マンションで発生した大規模火災の犠牲者は、少なくとも12人に上っている(2017年 ロイター/Neil Hall)
英ロンドン中心部にある24階建て高層マンションで14日発生した大規模火災の犠牲者は、少なくとも12人に上っている。消防当局は火災の規模とそのスピードにおいて、ロンドンで前例のない大惨事だとしている。
約600人が居住していた築43年のマンション「グレンフェル・タワー」の消火活動には消防車40台、消防士およそ200人が出動。
出火から16時間以上が経過したが、今なお消火活動は続いており、消防隊は上層階へたどり着こうと試みている。消防士らによれば、これまで65人を救出。一部の住人はパジャマ姿だったという。
救急隊は、火災の原因について語るのは時期尚早だとしている。一部の住人は警報が鳴らなかったと語った。また別の住人らは、火災時の安全確保について繰り返し警告していたと述べた。
ロンドンの裕福なケンジントン地区の一部を見渡せる低所得層向けの同マンションで、このような悲劇が起きることは予見できた、と地元の住民団体は非難の声を上げた。カーン市長も、答えるべき疑問があると語った。
一方、メイ首相は適切な調査を約束。この火災を受け、与党保守党と北アイルランドの民主統一党(DUP)との協議は延期となった。来週とみられている欧州連合(EU)離脱交渉の開始も遅れる見込みだという。
一部の住民は上層階の窓から助けを求め、なかには子どもを助けるために窓から投げようとする人もいた。
「『助けて、助けて、助けて』と叫ぶ大勢の子どもや親がいた」とアミナ・シャリフさんはロイターに語った。
「私たちは何もできず、建物の側面が崩れ落ちるのを見た。私たちはただ立ち尽くし、叫んでいた」