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シリアトランプ、シリア化学兵器「いくつもの一線を越えた」と非難
4月5日、米当局者は、シリア北部の空爆で使用されたとされる化学兵器は反体制派が保有していたとのロシアの主張を退け、国連が一致して対応できなければ米国の単独行動もあり得るとの立場を示唆した。国連安保理会議で被害状況を説明するヘイリー米国連大使(2017年 ロイター/Shannon Stapleton)
[国連/ベイルート 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、シリア北部の空爆で市民に対して化学兵器が使用された疑惑を巡り、「いくつもの一線を越えた」と同国のアサド政権を非難した。
少なくとも70人が犠牲になった今回の攻撃について、「昨日起きたことは、受け入れがたい」とトランプ大統領はヨルダンのアブドラ国王との共同会見で語った。
「シリアとアサド政権に対する私の考え方は大きく変わった」とトランプ大統領は語った。ただ、対シリア政策を見直すかとの質問に対しては「じきに分かる」と答えるにとどめた。
米当局者は5日、今回シリアで使用された化学兵器は反体制派が保有していたとのロシアの主張を退け、国連が一致して対応できなければ米国の単独行動もあり得るとの立場を示唆した。
ヘイリー米国連大使は「国連が集団行動の責任を果たせない状況が続くなら、米国は独自の対応を取らざるを得ない場合もある」と述べ、単独行動の可能性を示唆した。
西側諸国はシリアのアサド政権が化学兵器を使用したとみており、米情報当局者は、現時点の情報によると今回の空爆で出た死者の多くはシリア軍機が投下したサリンが原因となった可能性が最も高いとの見方を示した。米司法省高官は、使用された化学兵器がサリンだったかどうか米政府として確認はまだとれていないとした。
一方、ロシアは反体制派の武器倉庫に保管されていた化学兵器が政府軍の空爆で漏れ出たと主張した。
ホワイトハウス高官は、ロシアの説明には信ぴょう性がないとし、「われわれは信じない」と述べた。
米英仏の3カ国は、化学兵器の使用を非難する国連安全保障理事会決議案を提起。国際調査団への協力をシリアに義務付ける内容を盛り込んだ。だが、ロシア外務省は、これは「偽情報」に基づいており「受け入れられない」として退けた。
インタファクス通信によると、ロシアのガチロフ外務次官は、非難決議案がこのまま採決されれば、ロシアは拒否権を行使するとの考えを示した。
また、タス通信はロシア国連大使の報道官の話として、ロシアが独自の決議案を提起したと伝えた。