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ブレグジットハードブレグジットなら英国金融機関と社員流出 経済弱体化も
3月6日、法律事務所のフレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガーは、英国の欧州連合(EU)離脱に関する報告書のドラフトで、同国がEU市場へのアクセスを失った場合、金融機関や社員が流出し、国内経済全般が弱体化する可能性があるとの見解を示した。写真は金融機関が集まるロンドンのカナリー・ワーフ。昨年2月撮影(2017年 ロイター/Hannah McKay)
法律事務所のフレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガーは、英国の欧州連合(EU)離脱に関する報告書のドラフトで、同国がEU市場へのアクセスを失った場合、金融機関や社員が流出し、国内経済全般が弱体化する可能性があるとの見解を示した。文書を確認した関係筋が明らかにした。
報告書は金融部門のロビー団体「ザ・シティUK」向けにまとめられたもので、月内にも公表される見通し。
関係筋によると各企業は、EU離脱が欧州単一市場へのアクセスを失う「ハードブレグジット」となった場合の「基本ケースシナリオ」をすでに適用しつつあるもよう。報告書は、英金融サービス会社がEUとの直接事業を手掛けているかどうかにかかわらず、ハードブレグジットなどによる金融や法律、会計サービスの「エコシステム」に対する悪影響が及ぶとの結論付けた。
さらに、金融業が弱体化することで英国の広範な「引力」は弱まり、経済の他の部分も打撃を被る可能性があると指摘した。
イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は、英国の金融エコシステムを大陸欧州にも構築することは難しいとみているが、今回の報告書はこれより厳しい見方を提示していることになる。
ザ・シティUKは、フレッシュフィールズに報告書作成を依頼したことは事実だが、完成はしておらず、結論を決め付けるのは早すぎると述べた。フレッシュフィールズはコメントを控えた。