最新記事

シリア内戦

シリア・アレッポの学校爆撃で子ども12人死亡、化学兵器含む砲撃続く

2016年11月21日(月)18時20分

11月20日、シリアのアレッポで反体制派側が発射した砲弾が、政府側地域の学校に命中し、児童8人が死亡した。一方、政府側も激しい爆撃を繰り返し、反体制側地域で家族6人がたる爆弾で死亡した。 写真は反体制派の砲撃を受けた学校。シリア国営テレビの映像から(2016年 ロイター/SANA)

 政府側と反体制派側それぞれの支配地域で町が二分されているシリアのアレッポで20日、反体制派側が発射した砲弾が政府側地域の学校に命中し、児童8人が死亡した。一方、政府側も激しい爆撃を繰り返し、反体制側地域で家族6人がたる爆弾で死亡した。

 政府側は15日以降、反体制派側が支配するアレッポ東部奪還に向けて総攻撃を仕掛けている。砲撃は6年に及ぶ内戦で最大規模となっており、市民に多くの犠牲者が出ている。

 医療関係者2人が明かしたところによると、政府軍が深夜、アレッポ東部にたる爆弾を投下し、子ども4人を含む家族全員が窒息死した。医療関係者はたる爆弾に塩素ガスが含まれていたとみている。

 内戦を監視しているシリア人権監視団は、爆撃があったことは認めたものの、塩素ガスの使用までは確認できていないとしている。塩素ガスは化学兵器禁止条約で禁止されており、シリア政府は一切の使用を否定している。

 一方、シリア国営テレビは政府側が支配するアレッポ西部で、反体制派が発射した砲撃が学校に命中し、6歳から12歳までの児童少なくとも8人が死亡したと伝えた。またシリア人権監視団もこれを確認した。

[ベイルート 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:ガザ戦後統治は誰が担うのか、イスラエルを悩ま

ワールド

シン・フェイン党、北アイルランドで最大勢力に 英議

ビジネス

上海汽車、EV関税巡り公聴会要請へ 「欧州委調査で

ビジネス

独鉱工業生産、5月は前月比-2.5% 予想外のマイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVの実力
特集:中国EVの実力
2024年7月 9日号(7/ 2発売)

欧米の包囲網と販売減速に直面した「進撃の中華EV」のリアルな現在地

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 2
    携帯契約での「読み取り義務化」は、マイナンバーカードの「基本概念」を根本的にひっくり返す悪手だ
  • 3
    現在のビットコイン価格は「高すぎ」か、実は「割安」か...オンチェーンデータから見る「本当の買い時」
  • 4
    「天井に人が刺さった」「垂直に落ちた」── 再び起き…
  • 5
    黒海艦隊撃破の拠点になったズミイヌイ島(スネーク…
  • 6
    一期一会を演出する「奇跡」の人気店は数年で潰れる.…
  • 7
    「絶不調」バイデンを深追いしなかったトランプ
  • 8
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 9
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 10
    和歌山カレー事件は冤罪か?『マミー』を観れば死刑…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 3
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 4
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 5
    携帯契約での「読み取り義務化」は、マイナンバーカ…
  • 6
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 7
    黒海艦隊撃破の拠点になったズミイヌイ島(スネーク…
  • 8
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 9
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 10
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地.…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 3
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 4
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 5
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 6
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 7
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 8
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 9
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 10
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中