中国の習近平主席、党内ライバル派閥「抑え込み」で権力確立狙う
9月30日、中国指導者として再任されるかが決まる共産党大会まであと1年、習近平国家主席(写真)はライバル派閥の力を削ぐための策略をめぐらせる一方、自身の派閥メンバーを国内の最高指導部に送り込もうとしている。写真は5日、杭州G20サミットで語る同主席(2016年 ロイター/Damir Sagolj)
中国指導者として再任されるかが決まる共産党大会まであと1年、習近平国家主席はライバル派閥の力を削ぐための策略をめぐらせる一方、自身の派閥メンバーを国内の最高指導部に送り込もうとしている。
指導部に詳しい3人の関係筋がロイターに語った。
習主席は、来年秋の第19回全国代表大会(党大会)で選出される党中央政治局常務委員会の7名のメンバーのうち、中国共産主義青年団(共青団)派に過半数を占めさせないことを目指しているという。
「習主席が、共青団系に常務委員会の過半数を許すことはありえない」と関係筋の1人はロイターに語った。
共青団閥はかつて強大だった時期もあるが、今は生き残りに必死である。年間予算は今年2分の1も削減され、国営メディアでは「過剰なエリート主義で非効率」と叩かれている。上述の情報提供者や外交筋によれば、こうした共青団に対する攻撃の背後には、習氏の差し金があると広く信じられている。
この派閥は、共産党の青年組織で14─28歳のメンバー8800万人を擁する共青団の現・旧メンバーで構成されている。主として党や政府の官僚で構成されており、特定の政治的系譜に連なるものではないが、数十年にわたり、将来の指導者候補として育てられてきた人々だ。
共青団は、かつてはトップをめざすための登竜門であり、習氏の前任者として国家主席、党総書記、中央軍事委員会主席を務めた胡錦濤氏は、この共青団を政治的地盤としていた。
共青団と、内閣に相当する国務院の広報担当局であるのと同時に党を代表して発言する国務院新聞弁公室にコメントを求めたが、回答はなかった。習主席個人の事務所、あるいは他の政権幹部の事務所への外国メディアの接触は認められていない。