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南シナ海フィリピンに外洋航行可能な大型巡視船2隻供与、安倍=ドゥテルテ初会談
9月6日、安倍首相はフィリピンのドゥテルテ大統領とラオス・ビエンチャンで会談を行い、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの沿岸警備隊に対し、円借款で大型巡視船2隻を供与することを伝えた。ASEANサミットに向かう安倍首相(2016年 ロイター/Soe Zeya Tun)
日本政府は6日、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンの沿岸警備隊に対し、円借款で大型巡視船2隻を供与することを決めた。ラオスを訪問中の安倍晋三首相が同日午後、フィリピンのドゥテルテ大統領との会談で伝えた。
6月末に就任したドゥテルテ大統領と安倍首相が会談を行うのは初めて。両首脳は南シナ海の領有権問題を平和的に解決するため、協力していくことで一致した。
日本はフィリピンの海洋監視・警戒能力の向上を支援するため、これまでに10隻の巡視船をフィリピン沿岸警備隊に供与することを決定している。約165億円の円借款で新たに供与する2隻はより大型で、外洋まで航行することが可能になる。首脳会談では、フィリピン海軍に海上自衛隊の練習用航空機を貸与することも改めて確認した。
中国は南シナ海の大半を自国海域と主張しており、一部で領有権を争うフィリピンはオランダのハーグの国際仲裁裁判所に提訴した。裁判所は今年7月、中国の主張には根拠がないとの判断を出したが、中国は裁定に従わない方針を表明している。
中国は、日本や米国が南シナ海問題に介入しないよう求めている。新華社通信は5日、同日夜の日中首脳会談で習近平国家主席が安倍首相に対し、南シナ海問題に対する「言動を注意すべき」と伝えたと報じた。