最新記事

アップル

欧州委、米アップル追徴課税めぐる元競争担当の批判を一蹴 

2016年9月5日(月)10時05分

9月2日、欧州委員会は、米アップルに対する欧州連合(EU)の巨額追徴課税命令をめぐり、かつて競争政策を担当していたネリー・クルース元欧州委員(写真)による批判を一蹴した。ブリュッセルで2014年9月撮影(2016年 ロイター/Laurent Dubrule)

 欧州委員会は2日、米アップルに対する欧州連合(EU)の巨額追徴課税命令をめぐり、かつて競争政策を担当していたネリー・クルース元欧州委員による批判を一蹴した。

 2010年まで競争政策、14年までデジタル政策を担当する欧州委員を務めたクルース氏は、ベステアー委員(競争政策担当)がアップルに対し130億ユーロの追徴課税を命じたことについて、EU法の不適切な適用だと批判した。

 クルース氏は英ガーディアン紙に「EU加盟国は独自の税法を決める主権がある。国家補助はこうした規則を書き換えるために使われてはならない」と主張。「しかし、税制をめぐる国家補助に関する現在の調査は、まさにそうなるようだ」と批判した。

 これに対し、欧州委報道官は2日の記者会見で、「(IT産業が集まる)シリコンバレー(企業)の見解や欧州委の決定に反対する立場の見解を公に主張したい気持ちと、元欧州委員としての立場を調整するのは困難であることは分かっている」と述べ、クルース氏の批判を退けた。

 オランダ出身のクルース氏は14年に欧州委員を退いた後、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズの公共政策委員会に名を連ねている。シリコンバレーにある同社は、欧州でのサービス展開を制限している各国の規制に対し、欧州委が対策に一層力を入れるようロビー活動を展開している。

[ブリュッセル 2日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン政権、6.8億ドルの対イスラエル武器売却を

ビジネス

メキシコ中銀、中国が米国輸出として「裏口」利用との

ワールド

プーチン大統領がカザフスタン訪問、エネルギー関係強

ワールド

トランプ氏が支援削減ならウクライナに「死刑宣告」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 3
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウクライナ無人機攻撃の標的に 「巨大な炎」が撮影される
  • 4
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 5
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 6
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 7
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中