最新記事

イタリア

イタリア政府、憲法改正国民投票を12月4日実施 首相が改正支持訴え

2016年9月27日(火)10時38分

9月26日、イタリア政府は憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施すると明らかにした。写真はレンツィ首相。マラネッロで8月撮影(2016年 ロイター/Max Rossi)

 イタリア政府は26日、憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施すると明らかにした。

 レンツィ首相は実施日発表後の声明で「われわれはより安定的で、シンプルな国家を求めている」とし、「変化を望む者はみな、手を貸して欲しい」と憲法改正への支持を訴えた。

 首相は、憲法改正はイタリア政治に必要な安定をもたらすと主張、否決された場合には辞任する意向を度々示している。

 レンツィ首相は当時、憲法改正案は承認されると踏んでいたが、その後予想外の景気減速や英国の欧州連合(EU)離脱決定による衝撃などを背景に状況は一変。最近の一部世論調査では、改正反対派が優勢となっている。

 現行制度では上下両院とも平等な権限を有しており、これが戦後のイタリア政治で5年の任期を全うした政権がない要因の1つとの指摘が出ていた。

 レンツィ氏の推進する憲法改正案では、上院が不信任投票を通じて政権を転覆できないよう権限を弱める。地方政府の権限も制限する。イタリア議会は4月、憲法改正法案を承認している。

 野党の全政党は憲法改正に反対しており、一部の批評家は新たな独裁者の出現を食い止めるため戦後導入され、民主主義にとり不可欠な抑制と均衡の機能を奪うとしている。

[ローマ 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

豪中銀総裁「当面は利下げできず」 コアインフレ依然

ワールド

米中が囚人交換、相互に3人釈放 米は渡航勧告を緩和

ワールド

台湾軍が防空訓練実施、総統外遊控え 中国は立ち寄り

ワールド

イスラエル軍、レバノン南部の町を戦車で砲撃=治安筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式トレーニング「ラッキング」とは何か?
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖値改善の可能性も【最新研究】
  • 4
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウ…
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    「健康寿命」を2歳伸ばす...日本生命が7万人の全役員…
  • 7
    「健康食材」サーモンがさほど健康的ではない可能性.…
  • 8
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 9
    谷間が丸出し、下は穿かず? 母になったヘイリー・ビ…
  • 10
    未婚化・少子化の裏で進行する、「持てる者」と「持…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 10
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中