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イタリアイタリア政府、憲法改正国民投票を12月4日実施 首相が改正支持訴え
9月26日、イタリア政府は憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施すると明らかにした。写真はレンツィ首相。マラネッロで8月撮影(2016年 ロイター/Max Rossi)
イタリア政府は26日、憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に実施すると明らかにした。
レンツィ首相は実施日発表後の声明で「われわれはより安定的で、シンプルな国家を求めている」とし、「変化を望む者はみな、手を貸して欲しい」と憲法改正への支持を訴えた。
首相は、憲法改正はイタリア政治に必要な安定をもたらすと主張、否決された場合には辞任する意向を度々示している。
レンツィ首相は当時、憲法改正案は承認されると踏んでいたが、その後予想外の景気減速や英国の欧州連合(EU)離脱決定による衝撃などを背景に状況は一変。最近の一部世論調査では、改正反対派が優勢となっている。
現行制度では上下両院とも平等な権限を有しており、これが戦後のイタリア政治で5年の任期を全うした政権がない要因の1つとの指摘が出ていた。
レンツィ氏の推進する憲法改正案では、上院が不信任投票を通じて政権を転覆できないよう権限を弱める。地方政府の権限も制限する。イタリア議会は4月、憲法改正法案を承認している。
野党の全政党は憲法改正に反対しており、一部の批評家は新たな独裁者の出現を食い止めるため戦後導入され、民主主義にとり不可欠な抑制と均衡の機能を奪うとしている。