トルコのクーデター未遂逮捕者2万人、収容力不足で既存受刑者約10万人を釈放へ
8月17日、トルコは、先月発生した軍の一部勢力によるクーデター未遂事件で拘束した数万人の容疑者を収容するため、3万8000人の受刑者を釈放すると発表した。写真中央は、クーデター未遂に関与した疑いで連行される軍関係者。ムーラで撮影(2016年 ロイター/Kenan Gurbuz)
トルコは17日、先月発生した軍の一部勢力によるクーデター未遂事件で拘束した数万人の容疑者を収容するため、3万8000人の受刑者を釈放すると発表した。
これは、約240人が殺されたクーデター未遂を受け、非常事態宣言下にあるトルコで、同日出された2つの法令において示された一連の措置の1つだ。
トルコ政府はこうした措置の理由を明らかにしていないが、クーデター未遂以前から刑務所はすでに収容可能人数を超えていた。アナドル通信社が入手した法務省のデータによると、16日時点で受刑者の数は21万3499人で、収容可能人数を2万6000人以上も上回っている。
クーデター未遂後の捜査では、計4万0029人が拘束され、そのうち2万0355人が正式に逮捕されたと、ユルドゥルム首相は17日明らかにした。
発表によると、残る刑期が2年間以下の受刑者は、「監視下の釈放」が許される資格を有するが、刑期の半分を終えていなければならない。ただし、テロや殺人、暴力や性犯罪で有罪となっている受刑者は除外される。
ボズダー法相は地元テレビ局とのインタビューで、まず3万8000人が釈放されるが、最終的には9万3000人が恩恵を受ける可能性があると語った。
「刑務所から出られて本当に幸せ。このようなことは全く予想していなかった」と、ある受刑者が同国最大の刑務所の外で記者団にこう語ったとアナドル通信は伝えている。「エルドアン大統領に感謝する。更生して、犯罪にはもう手を染めない人間になるよう努力する」
法令は、さらに警察官2360人、軍属100人超、情報・通信当局職員196人の免職を命じている。また、トルコ軍トップの任命において、大統領により多くの選択肢を与える。これまでは陸海空軍の最高幹部のみがそのポストへの昇進が許されたが、大統領は今後いかなる軍司令官をも選ぶことが可能となる。