日産社長「業績改善にめどつけバトンタッチ」、新たなパートナー模索
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2月13日、日産自動車の内田誠社長は記者会見で、業績不振の経営責任を重く受け止めているとした上で「業績低迷に歯止めをかけ、現在の混乱を収束させることが喫緊の役割」との認識を示した。横浜市内の本社で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Maki Shiraki
[横浜市 13日 ロイター] - 日産自動車の内田誠社長は13日の決算会見で進退に言及し、業績改善にめどをつけた上で「可及的速やかに後任にバトンタッチしたい」と語った。ホンダと進めていた経営統合協議を打ち切ったことを受け、自動車メーカーに限らず新たなパートナーを模索する考えを示した。
日産はこの日、未定としていた2025年3月期の連結純損益が800億円の赤字になる見通しと発表した。再生に向けたリストラ費用約1000億円を織り込んだ。連結営業利益見通しは1500億円から1200億円(前期比78.9%減)に下方修正した[L4N3P40UI]。
内田社長は、業績悪化を「非常に重く受け止めている」と述べ、「業績低迷に歯止めをかけ、現在の混乱を収束させることが喫緊の役割」と語った。その上で、自身の進退について、業績改善に「1日も早くめどをつけ、可及的速やかに後任にバトンタッチしたい」と述べた。
一方で内田社長は、「ターンアラウンド(業績改善)の方向に向かわせることに責務を持ってやっていきたいというのが私の強い思い」とし、すぐ辞任する意向はないとした。ただ、評価するのは「最終的には株主」と述べ、「内田はもう必要ないと言われれば、私はしがみつくことはない」とも語った。
日産との協業に関心を示している台湾の電子機器受託生産大手、鴻海精密工業との接触については、鴻海が「実際に当社のマネジメントレベル(経営層)と話したケースはない」と否定した。ただ、「さまざまな方の提案に関しては前向きに議論したい」と語り、「単独では厳しい。新たなパートナーとの可能性を探求していく」と述べた。将来を考えたときに「自動車会社で全てを見ていくのは厳しい」とも話し、新たなパートナーは自動車メーカーに限らないとの考えを示した。
日産は同日開いた取締役会で、ホンダとの経営統合協議を打ち切ることを決めた。内田社長は破談の引き金になった子会社化案について、初めてホンダから提示された際に「それでうまくいくかなというのが正直な思いだった」と明かした。両社が「非常に歴史がある」ということに触れ、取締役会でも数回話し合ったが、「(日産の)強み、ポテンシャル(潜在能力)を最大限引き出せるか、最後まで確信が持てなかった」と述べた。
その上で内田社長は、当初計画されていた「持ち株会社のほうが強い会社になれる、子会社化は難しい」というのが自分の意見だったと説明した。ホンダとは引き続き「未来志向でメリットになるような協業につなげていきたい」と述べた。