ヒラリー勝利宣言でも撤退しないサンダースの深謀
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<民主党予備選ではヒラリーが指名獲得を確実にしたが、それでも対抗馬のサンダースは撤退を表明しない。しかしサンダースには、自分が盛り上げてしまった党内の「アンチ・ヒラリー」ムードを予備選の最後局面で収束させたい深謀がありそうだ>
今週7日は、大統領選予備選の最後のヤマ場となった。すでに決着のついている共和党の場合は形式的な選挙だったが、注目されたのは民主党だ。
とは言っても、予備選で決まる「プレジッド代議員」に加えて、党幹部や連邦議員などで構成される「スーパー代議員」を含めた獲得代議員数で、ヒラリー・クリントン候補は6日の時点で過半数のマジックナンバーに達していた。したがって7日の予備選は、その結果を踏まえてライバルのバーニー・サンダース候補が「どう出るか?」が関心を集めた。
結果的に7日の予備選はヒラリーの大勝に終わった。モンタナとノースダコダでは、銃と格差の問題でサンダースが勝利したが、ニューメキシコでヒラリーは勝利し、筆者の住むニュージャージーでは「63%対37%」という大差でサンダースを圧倒した。一時は支持率で僅差と言われていたカリフォルニアでも、10ポイントの大差をつけてヒラリーは勝っている。
予備選結果によって比例配分される各州の「プレッジド代議員」の数でも、ヒラリーはサンダースを上回って過半数以上が確定した。ヒラリーの勝利はますます揺るぎないもので、反対にサンダースの敗北は確定したと言って良い。
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またこの7日の時点で、ニューヨーク・タイムズは「資金枯渇により、サンダース陣営は選挙スタッフの半数を解雇する見通し」という報道をしているが、陣営側はこの報道を否定していない。そんな中で7日の深夜11時(太平洋時間)、つまり東部時間では8日の午前2時過ぎからカリフォルニア州のサンタモニカで開かれた集会で、サンダースの演説が始まった。
若者を中心とする多くの支持者が集まる中で、サンダースはトレードマークの「拳を振り上げる」ポーズを取りながら「我々の政治革命はまだ続く」と叫んでいた。そして、「来週のワシントンDCの予備選(大勢に影響はないが予備選日程の最後に組まれているもの)でも戦い続け」、さらに「(7月の)フィラデルフィア(での党大会)にも乗り込む」と宣言した。
それでは、依然として「アンチ・ヒラリー」のムードを強く抱えるサンダース陣営は、党の分裂という事態も辞さない構えで選挙運動を続けるのだろうか?
必ずしもそうとは限らない。少なくともこの日の演説の全体には、やや違ったメッセージが埋め込まれていた。