ヒラリー・クリントン、トランプに利用されかねない6つのスキャンダル
Lucy Nicholson-REUTERS
<アメリカ初の女性大統領の座が見えてきたヒラリー・クリントン。だが手段を選ばないトランプが、ヒラリーの過去の傷を攻撃してくる可能性もある>
アメリカの次期大統領はヒラリー・クリントンになりそう、と言ってしまっていいだろう。選挙資金の集金額は候補中トップだし、本選では民主党の支持も大方得られそうだ。一方ドナルド・トランプは、共和党指導部や有権者に、「自分はヒトラーのような独裁者ではない」ことを証明しなくてはらない。
【参考記事】ヒラリー対トランプの「ゴシップ合戦」に突入した大統領選
しかし未来には何が起こるかわからない。ヒラリーが負ける可能性もある。もしヒラリーが負けるとしたら、トランプよりもヒラリー自身の過去のせいだろう。ヒラリーは過去に多くの傷を抱えている。そこに新たなスポットライトが当たるようなことがあれば、支持者の声援は一瞬にしてブーイングに変わるかもしれない。ヒラリーが抱える爆弾スキャンダルをまとめた。
【参考記事】打倒トランプへヒラリーが抱える弱点
<ベンガジ事件>
保守派がいまだにこだわるベンガジ事件。中東で反米抗議デモが頻発した2012年9月、リビアのアメリカ領事館が襲撃されて駐リビア大使ら職員4人が殺害された。その後の調べで国務省が襲撃を予期しておらず、領事館の建物を強化していなかったことが明らかになった。
保守派はオバマ政権、特に当時国務長官だったヒラリーの責任をことさらに追及し、領事館近くに待機していた米兵をヒラリーが「撤退」させたという、実際にはなかった事実まで追及した。さらにこのでたらめな話は、今年マイケル・ベイ監督によって映画化(『13時間』〔日本未公開〕)までされている。
米議会の調査委員会はこれまでに、何も新事実を見つけられていないが、もしそうなったら本選の展開が変わるかもしれない。
<ルインスキー不倫騒動>
夫のビル・クリントンが大統領だった98年に発覚した、当時22歳のホワイトハウス研修生、モニカ・ルインスキーとの不倫騒動。議会下院の大統領弾劾訴追にまで発展した。ヒラリーは過去の事件として忘れたいだろうが、女性受けの悪いトランプは選挙戦略としてこの騒動を持ち出すかもしれない。もちろんそんな「いじめ」に走ればトランプのイメージも悪くなるが、トランプはイメージダウンなど恐れてはいない。
【参考記事】アメリカ政治を裏で操るコーク兄弟の「ダークマネー」
<夫ビルの女性問題>
ルインスキーとの不倫騒動以外にも、ビルは過去3人の女性から「性的」な被害を訴えられている。99年には介護施設の元経営者の女性が過去にレイプされたと告発し、98年にはホワイトハウスの元ボランティアが強引にキスをされたと言い、アーカンソー州知事時代の州職員はセクハラを受けたと主張している。