最新記事

ニュースデータ

日本では教育現場だけがICT化から取り残されている

学校内外でのネットやメールの活用度を比較すると日本は先進国中で最下位

2016年3月15日(火)15時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

学校と社会のギャップ 実社会のICT化レベルと比較しても学校現場の対応は極めて遅い mediaphotos-iStock.

 コンピューターを使った情報処理やコミュニケーションの能力である「情報通信技術(ICT)」が社会で不可欠な現代では、学校でも情報教育が重視されている。

 情報教育は、情報科のような特定教科だけで行われるとは限らない。庶務連絡や提出物のやり取りをネットで行う、通常の授業でコンピューターを使うなど、学校生活全体を「情報化」することも、情報教育の一環に含まれる。生徒が情報機器に触れざるを得ない環境を作るわけだ。

 いわゆる教育の情報化であるが、これがどれだけ実現しているか。OECDの国際学力調査「PISA 2012」では、15歳の生徒を対象に、学校内外でのICTの利用頻度をたずねている。複数の項目を提示し、5段階で自己評定してもらう形式だ<表1>。

maita160315-chart01.jpg

 選択された数値を合算し、ICT利用頻度を測る尺度をまとめてみよう。学校外の利用度は、7~35点のスコアで測られる(全部「5」を選んだ猛者は、5×7=35点)。学校内の利用度スコアは9~45点の範囲となる。

【参考記事】日本は世界一「夫が家事をしない」国

 調査対象となった日本の15歳生徒(約6000人)の平均点を出すと、学校外が9.8点、学校内が10.6点だった。前者の満点が35点、後者が45点であることを考えると、いかにも低い気がする。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中