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選挙仏地方選は極右が一転全敗、右派野党優勢・社会党は退潮鮮明
第1回投票で大躍進した国民戦線だが、オランド率いる社会党が自党より右派連合に投票するよう呼び掛ける「奇策」に
12月13日、フランス地域圏議会選の第2回投票が実施され、最新の出口調査によると、第1回投票では大躍進した極右「国民戦線(FN)」は、いずれの地域圏でも第1党とはなっていないもようだ。エブリーで撮影(2015年 ロイター/Charles Platiau)
フランス地域圏議会選(2回投票制)の第2回投票が13日実施された。開票率84%時点の公式発表によると、第1回投票で躍進した極右の国民戦線(FN)は本土13地域圏のいずれでも勝利を逃した。2017年大統領選出馬を目指すルペン党首にとって手痛い結果となった。
サルコジ前大統領が率いる共和党を中心とする右派連合が7地域圏、オランド大統領の社会党が5地域圏を制した。しかし全敗したとはいえ、国民戦線の得票率は同党としては過去最高を記録しており、右派連合、社会党ともに勝利を祝うムードではない。特に、2010年の前回選挙では22中21の地域圏を掌握していた社会党の退潮は鮮明だ。
6日に行われた1回目の投票は、パリ同時多発攻撃を受けて国民の間で治安や移民をめぐる警戒感が高まっていたことを背景に、移民の排斥などを訴えるルペン氏の国民戦線が全国得票率1位に躍進した。
危機感を募らせた社会党は、ルペン党首が候補者となっている北部と、ルペン党首のめいが立つ南東部で第2回投票を辞退。国民戦線の勝利を阻むため、右派連合に投票するよう呼び掛ける「奇策」に打って出た。
バルス首相(社会党)は「安心したり、勝利に酔ったりする場合ではない。極右が突き付けた危険が去ったわけではない」と強調した。
サルコジ前大統領も、国民戦線が高い得票率を集めたことについて「われわれを含むすべての政治家に警告となった」と述べ「国民が心配していることについて、真剣な議論を行うべきときだ」としている。
開票率84%時点では、北部地域圏における得票率は、右派連合が57.2%、国民戦線が42.8%。また、南東部地域では、右派連合の得票率53.7%に対して、国民戦線は46.2%にとどまった。
ルペン党首は、国民戦線への追い風は選挙のたびに高まっていると強調。南東部と北部で社会党の勢力が「完全に絶えた」ことを歓迎したほか、社会党などが展開した「反ルペン」キャンペーンを非難した。