最新記事
アフガニスタン子供を斬首したISへの報復を求め、カブールで大規模デモ
女性と子供を含むハザラ人の人質7人の斬首遺体が発見され怒りが爆発
政府は無策 ISの凶行に抗議して大統領官邸に行進する人々 Ahmad Masood- REUTERS
アフガニスタンの首都カブールで11日、テロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)に斬首処刑されたとみられるハザラ人7人の棺を担ぎ、遺影を掲げた数千人の市民がISISへの報復を叫んで通りを埋め尽くし、大統領官邸に向けて約10キロのデモ行進を行った。
殺された7人は、男性2人、女性2人、少年2人、少女1人。南部のザブール州で先週末、首を切られた状態で遺体が発見された。CNNによると、7人は10月にザブールで反政府勢力タリバンとISIS関連組織の抗争が起きた時期に誘拐されたらしい。
デモ隊はアフガニスタン政府のISIS対策の手ぬるさを糾弾、タリバンとアフガニスタンのアシュラフ・ガーニ大統領双方に怒りをぶつけた。ガーニが官邸にいたかどうかは不明だ。
一部のデモ参加者が塀をよじ登って敷地内に入ろうとしたため、官邸の警備兵が群衆に向けて発砲。7人が負傷したと、アフガニスタンの公衆衛生省が発表した。
犠牲者の出身地に棺を
大統領官邸に向かう前に、デモ隊は殺されたハザラ人の出身地である南東部ガズニ州の州知事オフィスまで棺を担いで行進した。このときガーニはツイッターで次のように述べた。「ザブール州で起きた残虐な犯罪で、われわれはみな耐え難い苦痛を感じている。(実行犯は)われわれの敵であり、報復を受けるだろう。(われわれは)対立を避け、団結すべきだ」
7人の首切り処刑は戦争犯罪に当たると、国連も厳しく非難している。
「女性と子供を含む民間人の人質を殺害するのは、とりわけ忌まわしい犯罪だ」と、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)のニコラス・ヘイソン代表は糾弾した。「こうした冷酷な殺害は戦争犯罪にあたり、加害者は法的責任を問われることになる」
ハザラ人はイラン人と同じペルシャ語を話すイスラム教シーア派教徒で、人口は280万人。アフガニスタンでは3番目に大きい民族だ。アフガニスタンでは、タリバンやアルカイダなどイスラム教スンニ派の武装集団やテロ組織の標的になっている。
「(殺害は)アフガニスタンの人々と政府、同盟国に対する極めて危険なメッセージだ」と、アフガニスタン下院のアブドゥル・ラウフ・イブアヒミ議長はロイターに語った。「これは家族や部族、民族ではなく、アフガニスタン人すべての問題だ」