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インド

公共トイレで「お駄賃」がもらえる国

当たり前のように行われている屋外での排泄をどう止めるか

2015年6月18日（木）11時45分
ジャック・ムーア

公共トイレ自体の美化も大きな課題だ　ADNAN ABIDIーREUTERS

　インドでも工業が盛んなことで知られる西部グジャラート州。その最大都市アーメダバードの市議会が、立ち小便防止策として思い切った対策を打ち出した。公共トイレを使った住民には、１回１ルピー（約２円）を支払うというのだ。

　これに先立つ昨年10月、モディ首相は町や公共施設の美化を推進する「クリーン・インド運動」を提唱。これは「政治ではなく愛国心の問題だ」として、19年までに屋外での排泄を撲滅する５カ年計画を発表した。

　とはいえ、インドは慣習やインフラの不備もあり、屋外での排泄がごく一般的に行われている。ＷＨＯ（世界保健機関）は昨年、インドでは今も６億人近くが「排水溝や野原や池で、尊厳もプライバシーもなく排泄している」と、公衆衛生上の懸念を示した。

　モディは「衛生が独立よりも重要だ」と言ってのけたが、その意気込みは国民に伝わるのか。アーメダバード市はまず、67カ所の公共トイレで新制度を導入し、うまくいけば市内３００カ所すべてで実施する計画だ。

[2015年6月23日号掲載]

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