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統制国家

シンガポールの秩序を乱すアルコール追放!

一番飲みたい週末や祝日に街で飲んで楽しむこともご法度に

2015年4月17日(金)12時58分
ミシェル・フロルクルス

清潔好き シンガポールの街に酔っぱらいの居場所はない Tim Chong-REUTERS

 シンガポールのゴージャスな夜景を楽しみながら乾杯! 残念ながら、そんな行為には罰金が科されることになりそうだ。

 シンガポールは今月、午後10時半〜午前7時の間、公共の場での飲酒や酒類販売を禁じる法律を施行した。商業地区のリトルインディアや繁華街のゲイランといった特定の地域が「アルコール規制地区」に指定されることになる。

 今年初めに可決したこの法律は、飲酒が原因で起こる治安問題を回避しようというもの。13年12月、同国で44年ぶりに発生した外国人労働者の暴動を念頭に置いているようだ。この暴動はインド人労働者がバス運転手と小競り合いになり、バスから降ろされた後にひかれて死亡した事件をきっかけに発生。死亡した労働者や暴動参加者の大半が酒に酔っていたとされる。

 規制地区では週末や祝日、祝日前夜に飲酒が禁じられる。レストランやカフェは規制対象外だが、酒店や食料品店はこの時間帯にアルコールを販売できない。違反者には約740ドル、常習犯の場合は約1480ドルの罰金が科される。

 路上でのポイ捨てやガム禁止令など、ただでさえ極端な統制で街の秩序を死守するシンガポール。何にしろ、気持ちよく酔える場所ではなさそうだ。

[2015年4月14日号掲載]

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