最新記事

最新研究

ヨーロッパ男性は100年で進化?

ヨーロッパ人男性の平均身長が1世紀で11センチも伸びた理由とは

2013年9月3日(火)17時03分
アレクサンダー・ベサント

時代を映す鏡 昔から大きかったわけじゃなかった? Bigstock

 ヨーロッパの古い町に行くと、驚くほど小さなドアをよく見かけて不思議に思ったことはないだろうか。

 このほどイギリスの研究者が、その理由を突き止めた。かつてヨーロッパの男性は今よりもずっと小さかったというのだ。

 英オックスフォード・エコノミック・ペーパーズに掲載された調査研究によれば、ヨーロッパの男性の平均身長は過去1世紀の間に約11センチ伸びたという。1870〜1980年の期間に絞り、ヨーロッパ15カ国の男性(平均年齢21歳)を対象に平均身長を調べたところ、1870年は167.6センチだったのが1980年には177.8センチに伸びていた。

 原因は? 人間の遺伝子自体が進化したとは考えがたく、むしろ医療の進歩や乳児死亡率の低下が大きな要因として指摘されている。「乳児死亡率の低下にも表れているように、疾病を取り巻く環境が改善したことが最も重要な要因と考えられる」と、研究チームは記している。

 対象となった期間で、最も平均身長が伸びたのは2つの世界大戦の間、世界恐慌の嵐が吹き荒れていた頃だった。経済が逼迫し食料も配給制で、一世帯あたりの子供の数は減少。過去のデータから、世帯人数が少ないほど平均身長が高くなることは分かっている。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独GDP改定値、第3四半期は前期比+0.1% 速報

ビジネス

独総合PMI、11月は2月以来の低水準 サービスが

ビジネス

仏総合PMI、11月は44.8に低下 新規受注が大

ビジネス

印財閥アダニ、資金調達に支障も 会長起訴で投資家の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中