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財政赤字増税を望むフランス大富豪たちの太っ腹
金持ち増税を米政府に求めるバフェットに続き、仏ロレアルやトタルのトップが「特別貢献」税を払いたいと言い出した
祖国のために ロレアルの相続人ベタンクール夫人も協力を申し出た Charles Platiau-Reuters
フランス国債の格付けは最上級のトリプルA。他国が羨む格付けを維持しようと必死のサルコジ政権に、寛大なスポンサーが現れた。財政再建のため、大富豪グループがもっと税金を払いたいと申し出たのだ。
化粧品大手ロレアルの相続人、石油大手トタルの総帥ら16人の企業トップと富豪が、富裕層を対象とする「特別貢献」税の導入を求めた請願書に署名。この請願書はヌーベル・オプセルバトゥール誌のウェブサイトで公開された。投資家のウォーレン・バフェットも米政府に同様の課税を求めている。
来年の大統領選で苦戦が予想されるサルコジは、財政赤字を減らせとフィヨン首相の尻をたたいている。フィヨンは当初2%としていた今年のGDP伸び率予測を1・75%に下方修正したばかり。今年第1四半期の伸び率は0・9%だったが、第2四半期はゼロ成長。巨額の財政赤字を削減し、トリプルAを維持できるのか疑問視する向きもある。
フランスの財政赤字は現在GDP比5・7%。サルコジ政権は13年までにユーロ圏の上限である3%に抑えたいとしている。
[2011年9月 7日号掲載]