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アルカイダ

「最凶テロの教祖」はこうして作られた

2011年5月9日(月)13時18分
ロッド・ノードランド、ジェフリー・バーソレット

アメリカの標的になる「喜び」

 89年にサウジアラビアに戻ったビンラディンは、ある種の教祖的な存在となっていた。彼の演説はたびたび録音され、中東各地で熱心に聞かれた。

 90年にイラクがクウェートに侵攻した際、ビンラディンはアフガン帰還兵を再招集してイラク軍と戦うことを主張。しかし、サウジアラビアの指導部は「異教徒」アメリカの支援を受け入れることを選び、彼を激怒させた。

 停戦後も米軍がサウジ駐留を続けると、ビンラディンはスーダンに移り、そこで国際的なネットワークをつくり上げた。96年に国外退去させられると、今度はタリバンの「客人」としてアフガニスタンに戻った。

 一部の報道によれば、彼は娘の一人をタリバンの最高指導者ムハマド・オマルに嫁がせ、タリバンとの関係を固めたという。

 ビンラディンの現在の居場所はどこなのか。カンダハル近くの丘陵地帯にいるという説もあれば、北西部にあるヒンズークシ山脈の中の新しい基地に移ったとの見方もある。

 いずれにせよ、自分を標的にして軍隊が集結している状況に、ビンラディンは満足の微笑を浮かべているはずだ。

[2001年9月26日号掲載]

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