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美人スパイを売った大佐にロシアが刺客

2010年12月1日(水)15時59分
藤田岳人(本誌記者)

 6月に発覚したアンナ・チャップマンらロシア人スパイ団事件。その逮捕劇は、ロシアの情報機関SVR(対外情報庁)幹部でスパイ団の監視役だったシェルバコフ大佐の裏切りが原因で、大佐を狙う暗殺部隊が既に派遣されたと最近報じられている。

 独立系ロシア紙コメルサントによれば、アメリカに寝返った大佐は二重スパイとなり、アメリカに潜入するスパイの情報を1年以上も漏洩。スパイ団摘発の直前にアメリカに亡命し、彼らの尋問にも同席したという。

 国内外のメディアは最近、「暗殺部隊派遣は間違いない」というロシア政府筋の証言を一斉に掲載。英字紙モスクワ・ニュースは、アイスピックで殺された革命家トロツキーと同じ運命を大佐はたどる、と断じた政府当局者の話を伝えた。「その運命は一生付いて回り、報復に怯える毎日を送る」

 一方、ロシアは以前から大佐の裏切りに気付いていた節がある。スパイ団の帰国後、プーチン首相は「これは裏切りによるもので、裏切り者はろくな死に方をしない」と断言していた。 

 まるで映画のようなこのスパイ物語は、果たしてどんな結末を迎えるのだろうか。

[2010年12月 1日号掲載]

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