得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴールになる
Why Trump's Sweeping New Tariffs May Backfire: 'It's an Own Goal'

世界が見守る中、ホワイトハウスのローズガーデンで相互関税率を発表するトランプ(4月2日) REUTERS/Carlos Barria
<専門家も国民も、多くの輸入品に高関税を課せば、物価の安定という自らの公約に逆行する結果を招くと言っているのに、関税の力を過信するトランプは耳を貸さなかった>
ドナルド・トランプは2024年の大統領選で、経済を立て直し物価を引き下げることを公約に掲げ、ホワイトハウスへの復帰を果たした。しかし、2期目が始まってわずか2カ月で、その「勝ち筋」だった経済政策が逆に足かせとなりつつある。トランプの新たな通商政策が株式市場を揺るがし、消費者の間では物価上昇やインフレ長期化への懸念が広がっている。
トランプは4月2日、ホワイトハウスで華々しく国別に課す相互関税を発表した。相互関税は通常、相手国が課す関税を同じ率の関税を課すものだが、トランプの場合は、非関税障壁なども加味して国別に独自の関税率を決めている。
それによると中国からの輸入品に対する関税率は34%、欧州連合(EU)は20%、日本は24%などとなるが、算出根拠は明らかにされていない。
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貿易戦争の激化と景気後退の引き金となる恐れがあり、トランプの経済運営に対する国民の信頼をさらに低下させる可能性があると、専門家や世論調査機関は指摘している。
ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディは「関税の大部分は、最終的にアメリカの消費者が価格上昇という形で負担することになる」と述べた。相手国が報復関税を課せば、アメリカ経済に悪影響を及ぼすだろうとも警告している。
「関税とその報復措置が重なれば、経済に深刻な打撃を与え、多くのシナリオで景気後退に突入する可能性がある」とザンディは分析している。