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米政治控えめな態度のヒラリーが人気
10月15日にギャラップ社が発表した世論調査によると、ヒラリー・クリントン米国務長官はオバマ大統領を上回る62%の支持率を獲得した(オバマの支持率は56%)。オバマもクリントンも1月より支持率を下げているが、クリントンの下げ幅はわずかにポイントだ。
90年代にファーストレディーだった時期からのクリントンのデータを持つ同社によると、過去に彼女の支持率が不支持率を大きく上回ったのは、夫ビルとモニカ・ルインスキーの性的スキャンダルの騒ぎが続いていた98年12月。だらしない夫に苦労させられる妻として同情を集めた。
最近のクリントンの支持率が安定しているのは、表舞台にあまり登場していないせいだろう。オバマが頻繁にテレビに登場しているのに対し、クリントンの露出は散発的。オバマはテレビで自動車業界への援助などについて語って無党派層を失望させたが、クリントンは難しい決断を迫られたり、不人気な政策を表立って弁護する必要もなかった。
クリントンが女性だという要因も支持率に影響しているようだ。おそらく有権者はクリントンが中心人物ではなくサポート役として動くことを好んでいる。彼女が助言役やチームの一員に徹しているときには支持率は急上昇する。反対に、医療保険制度改革など何らかの政策を先頭に立って提唱したときには「うるさい雌犬」といった罵言が飛び交う。
有権者がクリントンに求めているのは「政権に忠実なメンバーの1人」「ブッシュ前大統領の批判者」「一議員としてのクリントン」といったイメージ。自分だけスポットライトを浴びるようなまねは避けたほうがよさそうだ。
[2009年10月28日号掲載]