COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず
第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議の議長国は、発展途上国向けの気候変動対策の資金支援に関し、2035年までに年間2500億ドルを拠出するとの目標を提案した。22日、バクーで撮影(2024年 ロイター/Murad Sezer)
[バクー 22日 ロイター] - アゼルバイジャンで開かれている第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)の議長国は22日、発展途上国向けの気候変動対策の資金支援に関し、先進国が中心となり2035年までに年間2500億ドルを拠出するとの目標を提案した。ただ、合意は得られず、会期を延長して交渉が続けられている。
会議は22日に終了予定だったが、費用負担が重くなる先進国と、さらなる資金確保を求める途上国との間で意見の対立が目立った。
パナマの気候変動担当特別代表は、提示額は低すぎると反発。一方、欧州の交渉官は「額が高すぎるし、資金拠出国がほとんど増えていない」と批判した。
資金を拠出するのは、欧州連合(EU)、オーストラリア、米国、英国、日本、カナダ、ニュージーランドなど。議長国提案では、途上国にも自主的な拠出を求めており、この資金支援に参加しても国連における「途上国」としての地位に影響がないとも強調した。
提案では、35年までに官民の合計で対策資金として年間1兆3000億ドルを調達する目標も設定した。ただ、政府目標と民間目標を巡る隔たりを埋めるのは難しいとの見方も出ており、交渉担当官の一人は「拠出金の規模に誰も納得していない。拠出国の数を増やす具体策もほとんど示されていない」と述べた。
議長国は声明で「いくつか残っている重要な課題を調整してまとめるために、さらに各国と協議する」と述べた。現地入りしている国連のグテレス事務総長は、合意に向けて強力に推進することを求め、「失敗は選択肢にない」と強調した。
トランプ次期米大統領は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を公約しており、米国の役割が不透明となっていることも交渉に影を落とした。