身体の中に病院を作る!? 血中でデータ通信する「ナノマシン」が現実に
ナノマシンが体内で活躍する日も近い? (c) ReadWrite[日本版]編集部
80年代に長期的なヒットを飛ばしたRPG『Cyberpunk 2020』や、最近だと『Eclipse Phase』など(日本で有名なのはガンダムだろう)で使われていた大量のナノマシンをあなたは覚えているだろうか。
かつてゲームやアニメの中で活躍していたナノマシンは、それらを通じてナノマシンの危険性や可能性を我々に間接的に伝える役目を果たしていたが、今ではすっかり取り上げられなくなり、まるで死語のような扱われ方をしている。
しかし、最近また注目を集め始めている「ナノテクノロジー」によって、目に見えない極小サイズのワイヤレスマシンが現実のものになったらどうだろう。SFの世界でしか起こりえなかったことが、現実に起こるかもしれないとしたら? あのナノマシンが互いにコミュニケーションを取りあうことができたら、どんな使い方が考えられるだろうか。
先日、まさにこの研究に取り組んでいる科学者たちがいることが明らかになった。彼らが研究しているのは、人のDNAの100倍ちょっとの大きさで、血液の流れに乗ってデータを運ぶことができるナノサイズのデバイスである。
ナノテクノロジーは、世界的に超高齢化社会を迎えつつある現在、医療への応用に大きな期待を寄せられている。この技術を活用することで診断から治療まで、医者は患者の体のいたるところをリアルタイムで解析できるようになる。現在の検査は放射線など体に有害となりうるものを使用しなければならないが、これが人体に無害で賢い「ナノデバイス」に取って代われる日が来るかもしれないのだ。
ちなみに日本だと、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授の片岡一則(かたおか・かずのり)氏が、ナノテクノロジーを基軸とした医薬工分野の融合、イノベーションの創出を目指している。