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ノーベル賞医学生理学賞受賞の大村氏「賞は微生物にあげたらいい」
人類の半数が罹患リスクをもつ感染症の治療法を発見した3氏が受賞
10月5日、今年のノーベル医学生理学賞に北里大学名誉教授の大村智氏(80)ら3人が選ばれた。写真はスウェーデンのカロリンスカ研究所で発表された今回の受賞者3名のスライドの前で、インタビューを受ける同関係者。提供写真(2015年 ロイター/Fredrik Sandberg/TT News Agency)
今年のノーベル医学生理学賞に、北里大学名誉教授の大村智氏(80)ら3人が選ばれた。スウェーデンのカロリンスカ研究所が5日発表。寄生虫に起因する感染症に画期的な治療法を確立したことが受賞理由という。
大村氏のほか、アイルランド出身のウィリアム・キャンベル氏、中国のトゥー・ユーユー氏が受賞した。
大村氏とキャンベル氏は共同受賞。河川盲目症やリンパ管フィラリア症に効果がある薬剤イベルメクチンを開発した。
受賞の知らせを受けた大村氏は「私がノーベル賞をいただいていいのかという感じがしている。微生物を頼りに、微生物に教わってきたので、微生物に賞をあげたらいいのではないか」とTVのインタビューで語った。
日本人のノーベル賞受賞は23人目。医学生理学賞の受賞は米マサチューセッツ工科大学の利根川進教授、京都大学の山中伸弥教授に続く3人目。
トゥー氏はアルテミシニンという化合物を発見、マラリアによる死亡率の大幅低下に寄与した。同氏のノーベル医学生理学賞受賞は中国人で初めてとなる。
世界で約34億人が河川盲目症、リンパ管フィラリア症、マラリアに感染するリスクにさらされている。