投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝った理由
How Warren Buffett's Apple Move Protected His Net Worth

投資の神様ウォーレン・バフェット(2015年、ニューヨーク) REUTERS/Lucas Jackson
<トランプの関税政策による市場急落で多くの投資家が損失を被る中、著名投資家ウォーレン・バフェットは資産を増やした。アップル株の売却と現金比率の引き上げで大きな市場の変動を乗り切ったのだ>
4月4日の株式市場の暴落は世界の富豪の財産に打撃を与えたが、トランプ政権の通商政策がもたらした変動を余裕で切り抜けた人物がいる。
【チャート】2000年以降の株価暴落、下落率と下落期間
米投資会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOであるウォーレン・バフェットは、世界の億万長者500人の純資産をランク付けするブルームバーグのインデックスに載っている億万長者の大半が財産を減らしているにもかかわらず、今年に入って純資産を増やしている。
ドナルド・トランプ大統領の関税と世界貿易への揺さぶりは、世界市場と国内市場を動揺させ、ウォール街はここ数日で急落し、2020年以来、アメリカ株式市場にとって最悪の日々を記録した。
将来を予見したかのような投資戦略で 「オマハの予言者」と呼ばれるバフェットだが、昨年はアップル株が大幅な上昇を続けるなか、バークシャー保有のアップル株の大半を売却したことで話題となった。
ニュースサイト、ビジネスインサイダーによると、バークシャー・ハサウェイは2024年初頭時点で9億株以上のアップル株を保有しており、金額ベースでポートフォリオ全体の半分弱を占めていた。
米証券取引委員会(SEC)に提出した最新の書類によると、バフェットは1年の間にアップル株を約3分の2減らし、6億株強を売却。バークシャーのアップル株保有比率をポートフォリオ全体の22%にまで引き下げた。それでも依然として金額ベースでバークシャー・ハサウェイ最大の保有銘柄だ。