最新記事
映画

オスカー5冠の快挙!『ANORA アノーラ』のショーン・ベイカー監督が語った「ユーモアとセックスと語られていない物語」

2025年3月12日(水)10時50分
大橋希(本誌記者)
ショーン・ベイカー監督

©2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved. ©Universal Pictures

<インディペンデント作品を作り続けてきたベイカー監督が大切にしているもの、『アノーラ』と『タンジェリン』の類似点、セックスという要素、アノーラ役のマイキーについて――>

3月2日発表の米アカデミー賞で、最多5冠に輝いた映画『ANORA アノーラ』(日本公開中)。ショーン・ベイカー監督は作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞の4冠となり、1作品で4部門を制した史上初の人となった。

昨年のカンヌ国際映画祭でも最高賞のパルムドールを受賞するなど、各国映画祭や賞レースで注目を集め続けてきた作品だ。

物語の舞台は米ニューヨーク。ストリップクラブで働く「アニー」ことアノーラは客だったロシアの富豪の息子イヴァンと意気投合し、彼が帰国するまでの1週間、1万5000ドルで契約彼女になる。プライベートジェットで遊びに行ったラスベガスで勢いのまま結婚式を挙げるが......。

セクシャルなシーン満載でどんちゃん騒ぎに酔うような「シンデレラストーリー」が終わると、映画の雰囲気はすっかり変わってブラックコメディに。アニーの怒りや恐怖、必死さは本物だが、怒涛の展開にとにかく笑わずにいられない。

インディペンデント作品を作り続けてきた54歳のベイカーはiPhoneで全編撮影した『タンジェリン』(2015年)で注目を浴び、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17年)は各国で絶賛され映画祭でも多数受賞。スタイルもテーマも彼らしさを貫いてきた結果が『アノーラ』の快挙につながったのだろう。

オスカー授賞式後に来日したベイカーに本誌・大橋希が話を聞いた。

試写会
『シンシン/SING SING』ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、米のウクライナ停戦案に懐疑的 高官筋が指摘

ワールド

中国商務省がウォルマートと協議、米関税コスト転嫁報

ワールド

ゼレンスキー氏故郷と南部オデーサにミサイル攻撃、少

ビジネス

「ザラ」のインディテックス、24年度10.5%増収
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 3
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 4
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 5
    スイスで「駅弁」が完売! 欧州で日常になった日本食、…
  • 6
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 7
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 8
    トランプ=マスク独裁は許さない── 米政界左派の重鎮…
  • 9
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 10
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 4
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 5
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中