インフレをチャンスにできる人と、貧乏になる人...それぞれ共通するパターンがあった
Galeanu Mihai-iStock
<株式投資を始めた個人投資家の9割が負けているとも言われるが、失敗する人の売買には間違ったパターンがある>
インフレが加速しています。1月の消費者物価指数(総務省)は前年同月比で4.2%の上昇となり、41年ぶりの上昇率を記録しました。日本銀行の「生活意識に関するアンケート調査」でも、物価が「かなり上がった」「少し上がった」と回答した人が、あわせて94%にも上っています。
その一方で、オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」が行ったアンケート調査によれば、インフレに不安を感じている人のうち7割近くが、インフレへの対応について「何もしていない」と答えました。その理由は、おそらく、「どうしたらいいのかわからないから」ではないでしょうか。
「失われた30年」とも言われる長い長いデフレ時代から一気にインフレに突入したことで、多くの人がいまだデフレマインドから脱却できず、焦りを募らせているかもしれません。インフレは、たしかに生活が苦しくなる危機ですが、実は、資産を大きく伸ばすチャンスでもあります。
もはや「貯金は安全ではなくなった」
インフレとは、モノやサービスの値段(物価)が上がることを言います。値段が上がれば当然、同じ金額で買える数量が減ってしまうため、インフレとはつまり「お金の価値が下がる」ことでもあります。
かつての高度経済成長期は、物価の上昇以上に賃金も上がっていく「良いインフレ」でした。それに対して現在は、物価が上がっても賃金はなかなか上がらず、 そのため生活が苦しくなる「悪いインフレ」に陥っています。
そんな「悪いインフレ」が進行する中で最もやってはいけないこと、それは貯金です。なぜなら、いくら貯金してもその間にも物価はどんどん上がり、せっかく貯めたお金の価値が下がってしまうからです。むしろ、貯金をすればするほどお金が減ってしまうことにもなりかねません。
例えば、今後物価が3%ずつ上昇したとすると、現在の100万円は10年後には74万円、20年後には55万円の価値しかなくなります。20年でほぼ半減する計算です。定期預金に十分な利息がつけばいいのですが、今、メインバンクの金利は0.002%。1年で20円にしかなりません。
つい数年前までのデフレ下では、年々モノの値段が下がっていたため、貯金が有効でした。しかしインフレ時代に突入した今、もはや「貯金は安全ではなくなった」と考える必要があるのです。