最新記事

経営

中小企業診断士が教える「業績の良い会社」の3つの共通点

2022年11月30日(水)21時45分
伊東 健 ※経営ノウハウの泉より転載
整理整頓

Tatiana Sviridova-iStock.

<売上ばかり上げようとしてもダメ。業績に間接的に影響を及ぼす要因とは?>

中小企業経営者にとって、「どうすれば商品やサービスの開発や販売がうまくいくか」ということは最も関心が高いことの一つでしょう。なぜなら、商品やサービスが顧客に受け入れられてはじめて売上を確保することができ、経費の支払いや借入返済、また将来へ向けた投資等をすることが可能になるからです。実際、中小企業診断士である筆者が多くの会社に訪問する中で、商品やサービスをどう改善し業績を向上させるかについて悩みが無い経営者は皆無といっても過言ではありません。

このように業績に直接的に影響する商品やサービスに目が向いている会社が多い一方で、業績に間接的に影響を及ぼす要因に着目し意識して取り組んでいる会社は意外と少ないといえるでしょう。そこで今回はそのような要因の中でも"オフィス環境・働き方"に焦点を当てて、業績が良い中小企業の共通点を説明していきます。

業績が良い会社の共通点1:オフィスが整理整頓されている

筆者が会社を訪問する際に必ず見るポイントは、"整理整頓されているか"ということです。例えば、社員の使っている机の上や書類関係の保管状況、打ち合わせ場所までの通路に何が置かれているか等、自然と目にできる範囲で可能な限り確認するようにしています。なぜなら経営に関する話を目的として訪問する際には、会話の方向性を決める材料となり得るからです。実際に筆者の経験からいうと、整理整頓されている会社ほど業績が良い場合が多く、業務が円滑にまわっているケースがほとんどです。

■なぜオフィスが整理整頓されていると業績が良いのか?

2018年にコクヨ株式会社が実施した調査*では、1日のうち書類を探す時間はおおよそ20分という結果でした。これを1年間に換算すると約80時間に相当します。書類以外を含めると、年間150時間ほど探し物の時間を要しているという調査もあり、小さな積み重ねが非常に多くの時間的なロスにつながっていることがわかります。この原因はやはり"整理整頓"に起因することが多いのではないでしょうか。例えば、本来あるべき場所に使おうとしたものが無く、探しているうちに5、10分と時間が経ってしまうというような場合です。そもそもルールが無く各人の裁量で資料や物を管理している場合には必然的に起こるでしょうし、ルールがあったとしてもそれを1人でも徹底できなければ起こり得る問題です。整理整頓が徹底され、このような無駄な時間が発生しなければ、それだけで時間の短縮につながり本来行うべき業務に時間を割けるわけです。

(参考記事)顧客との関係構築が売上につながる!電話や訪問に替わる「メール営業」とは?

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

カナダ・メキシコ首脳が電話会談、米貿易措置への対抗

ワールド

米政権、軍事装備品の輸出規制緩和を計画=情報筋

ワールド

ゼレンスキー氏、4日に多国間協議 平和維持部隊派遣

ビジネス

米ISM製造業景気指数、3月は50割り込む 関税受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中