私、フォーチュン500企業のCEOになりました
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応募者総数5万4600名のなかから2016年の「CEO for One Month」グローバル代表に選ばれたフランス出身のカミーユ・クレマンさん(左)と、アデコグループのグループCEOであるアラン・ドゥアズ氏
<まさに国境なきインターンシップ。世界最大の人材サービス会社であるアデコグループが実施する画期的なプログラム「CEO for One Month」とは何か。必要なのは「チャンスを見つけたら一歩を踏み出してみる勇気」だというが、果たしてその真意とは>
22歳の大学院生が、220億1000万ユーロの売上を誇り、世界60の国と地域でサービスを展開する「フォーチュン500」企業のCEOを務める――。
そんな夢のようなインターンシッププログラムは、世界広しといえども他にないだろう。しかも、応募に際して学歴は問われず、門戸は誰にでも開かれている。それが、世界最大の人材サービス会社であるアデコグループが実施する「CEO for One Month」だ。今年のグローバル代表には、フランスのカミーユ・クレマンさん(22歳)が選出された。
国や地域によって状況は違えども、いま、次代を担う若者の職に関して様々な問題が指摘されている。国際労働機関(ILO)が8月に発行した「世界の雇用と社会の見通し――若者動向編2016」によれば、今年は若年層の失業率が3年ぶりに上昇し、若い世代の失業者数は世界で7100万人に達する見通しだ。日本では幸いにして同様の傾向は見られないものの、大卒者の3割が最初の就職後3年以内に離職するといった雇用のミスマッチが長らく問題となっている。
そうした世界規模の課題に真っ向から立ち向かおうと、アデコは2013年に若年層の就業を支援するためのグローバルプロジェクトである「Adecco Way to Work」を開始した。「CEO for One Month」はその一環として行われており、3回目となる今年は世界50カ国で実施。応募者総数は実に5万4600名を超えたという。
このインターンシップが特別な点は、プロジェクト名の通り「1カ月間のCEO経験」を若者たちに与えることにある。最初のステップでは、まず国ごとに選出された各国50名の代表者がそれぞれの国のアデコで約1カ月間のCEO業務を体験。次のステップでは、そこから選抜された10名が選考合宿(The CEO BOOTCAMP)へと進出する。
そして最終ステップでは、選考合宿に参加した10名の各国代表から5名のファイナリストを選び、そのなかから最終ステージで1名のグローバル代表を決定。最後に残った1名のみが、アデコのグローバルCEOであるアラン・ドゥアズ氏のもと、世界各地に3万1000人以上の従業員と65万人以上の登録就業者を抱えるアデコグループのCEO業務を、さらに約1カ月にわたり体験する機会を得るのだ。
すべてのステップにおいて選考の基準となるのは、アデコが求めるリーダーとしての資質と「CEOとしての働きぶり」だ。参加者は各国でCEOと行動を共にするだけでなく、経営会議への参加や事業計画(イノベーション・プロジェクト)の策定といったまさにCEOが果たすべき役割を与えられ、その行動や成果が全世界同じ基準で評価される。
ファイナリストたちの情熱あふれるスピーチ
9月9日、アデコグループの日本法人であるアデコ株式会社の東京のオフィスに、世界各国から5名の次代を担う若きリーダーが集結した。選考の最終ステージだ。
アルゼンチンからはアナ・イネス・モンタナリ、アメリカからはコートニー・バーガー、アラブ首長国連邦からはセラ・カズミ、ドイツからはヤン・ハプケンス、そしてフランスからはカミーユ・クレマンの各氏。それぞれの国でのCEO業務とアムステルダムでの約1週間の選考合宿を経て、東京へと降り立った彼ら彼女たちは、今年の「CEO for One Month」を勝ち抜いたファイナリストだ。
「今年3月からの長い選考を経て、ここ東京で5名の素晴らしい若者たちが最後のチャレンジを行います。なぜ自分がアデコグループのCEOに相応しいのか、CEOとしてグループをどのように経営していきたいのか。それぞれに5分間のスピーチを行ってもらいますので、ぜひお集りの皆様も耳を傾けてください」
この日のために来日したアデコグループCEOのアラン・ドゥアズ氏にそう促され、順に壇上に立つファイナリストたち。約2カ月前まで、彼ら彼女たちはどこにでもいる若者だった。それがいまや、フォーチュン500企業のCEOとなるべく自らの夢やこの1カ月間の経験を交え、壇上に注目する数多くの関係者や記者に向かって堂々と語りかけている。その姿はまさに、情熱に溢れた若きリーダーそのものだ。
最終的にグローバル代表に決定したフランス代表のカミーユ・クレマンさんは、「このプログラムを知った時は"素晴らしい学びの機会になる"と思って迷わず応募しました。そしてその通り、私の人生において最もやりがいのある大きな経験となりました。これからまた約1カ月、世界中の素晴らしいアデコの社員方々と一緒に仕事ができることに感謝しています」と喜びの声を語った。
そして「若い皆さんも、チャンスを見つけたらぜひチャレンジしてほしい」とも。経営学の修士号を取得して間もない22歳の彼女は、これから1カ月間、ドゥアズCEOとともに各国を回り、経営会議への参加や政府機関との会談をはじめ、アデコのグループCEO業務を体験することになる。