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ロシア原油安長期化に備え歳出削減も検討、財務相「厳しい決断必要」
エネルギー輸出国の政府予算の組み替えが必要なマーケットの変動
1月13日、ロシアのシルアノフ財務相は、原油価格が1バレル=82ドルにならなければ予算が均衡しないとの見解を示した(2016年 ロイター/MAXIM SHEMETOV)
ロシアのシルアノフ財務相は13日、原油価格が1バレル=82ドルにならなければ予算が均衡しないとの見解を示し、長期的な原油安の可能性に備え、政府の歳出に関して厳しい決断を下す必要があると指摘した。
2016年の予算では1バレル=50ドルの原油価格が想定されているが、国際指標である北海ブレント原油先物は13日時点で31ドル近辺となっている。
同相は16年下期に原油価格が回復し始める可能性があるとの見方を示した上で、同年の予算で想定される原油の平均価格は1バレル=40ドルに引き下げられるべきだとし、「新たな現実に予算を適応させることがわれわれの任務だ」と述べた。
さらに「(原油)価格が1バレル=82ドルをつけた際に予算は均衡するだろう。したがって予算方針に関しては決断しなければならないことが依然多い」と指摘した。
2015年の財政赤字は対国内総生産(GDP)比約2.6%だったという。
一方、ウリュカエフ経済発展相は「商品価格安が長期化すると確信している。(原油価格は)20ドルや15ドルに下落する可能性もあり、警戒する必要がある」と指摘。
「市場の論理では、きょうの下落が大きいほど明日の反発も大きくなるとされるが、これが最大のリスクではない。最大のリスクは低価格が数年、数十年と長期間続くことだ」と述べた。