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新興国インド進出するスタバを待つ落とし穴
カフェ市場が急拡大するインド市場に参入を決めたスターバックス。8カ月で50店舗オープンを目指すが、一筋縄では行かない理由
根強い文化 世界一の紅茶生産国であるインドでは、今も紅茶を好む市民が多い Adnan Abidi-Reuters
米コーヒーチェーン大手スターバックスがインドからコーヒー豆の調達を始めて約10年。そのスターバックスが先ごろ、インドへの進出を決めた。インドのタタ財閥傘下の飲料会社と提携し、今後8カ月で都市部に50店舗をオープンするという。
しかしスターバックスの行く手には、複数の障害が待ち受けている。インドのカフェ市場は拡大中で、競争は激しい。全国のカフェは約1500店に達し、年率30%で増加中だ。後発のスターバックスはインド市場に食い込めるのか。
あくまでもコーヒーは添え物
そもそもインドでコーヒー文化を普及させられるのか、という問題もある。過去10年でコーヒー消費量は2倍になったが、基本的にインド人は紅茶好きだ。
ではカフェが繁盛しているのはなぜか。エアコンの効いた涼しい空間と軽食、無料インターネット接続に多くの人が引き寄せられているというのが実情だ。
富裕層はスターバックスのブランド力に引き付けられるだろう。しかし、あくまでもコーヒーは添え物。スターバックスはインドのこうした事情に合わせた戦略を練る必要がある。
当面は同社自慢のコーヒーのおいしさを分かってもらえなくても、仕方ないかもしれない。
[2012年2月15日号掲載]