最新記事

ビジネス

対テロ活動

「アラブの春」に凍るCIA

Intelligence Test

民主化運動で揺れる中東諸国の米諜報員はネットワークを失って窮地に立たされている

2011年06月22日(水)12時04分
クリストファー・ディッキー(中東総局長)

Bookmark:

印刷

[2011年6月29日号掲載]

 ひどいなりに、昔は良かった。これが中東各国に潜むアメリカのスパイたちの正直な思いではないか。独裁者たちが健在だった時代には、怪しい奴を捕まえて彼らの国の警察に引き渡せば、いくらでも手荒な方法で尋問してくれた。独裁は悪だが、独裁者とは取引できた。

 ノスタルジアではない。実際に良かったのだ。今年に入って中東各地で起きた民主化運動がもたらす混乱に、多くの対テロ諜報員や専門家は危機感を抱いている。一方でアラブ世界により大きな自由と平等、安定が生まれる兆しは見えない。

「民主化だと喜ぶのはばかげている」と、数十年を対テロ活動にささげてきたある諜報員は言う。彼らの仕事はやりにくくなっただけだ。「何が入っているかも知らないで魔法の箱を開けてしまったようなもの。最悪の事態になりかねない」...本文続く

──ここから先は6月22日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年6月29日号をご覧ください。
<デジタル版Fujisan.co.jpでのご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください。

カバー特集は「崖っぷちのアメリカ」。中東の地殻変動で拠り所を失うCIAの苦悩の他にも、1400万人の失業を克服するためのビル・クリントン元大統領からの提言、期待はずれだったバラク・オバマ大統領に代わる男など、自信喪失に陥った超大国の運命を、多角的に探りました。

他にも
■鬼才ガリアーノ、破滅の真相
■アップルの頭脳流出が始まった
■国境の町を蝕む北朝鮮ドラッグ、など
<最新号の目次はこちら

Bookmark:

ページトップへ

MAGAZINE

特集:静かな戦争

2017-12・26号(12/19発売)

電磁パルス攻撃、音響兵器、細菌感染モスキート......。日常生活に入り込み壊滅的ダメージを与える見えない新兵器

  • 最新号の目次
  • 予約購読お申し込み
  • デジタル版

ニューストピックス

WEEKLY RANKING

  • 最新記事
  • コラム&ブログ
  • 最新ニュース
コラム&ブログ一覧へ