コラム

Change the course of...(~の成り行きを変える)

2015年09月30日(水)06時00分

【今週のTED Talk動画】 How great leaders inspire action - Simon Sinek http://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire...

人を鼓舞する「なぜ」の極意を伝授

 サイモン・シネックはリーダーシップの専門家で、そのテーマの本も書いている。このTED Talkでは、有能なリーダーに共通する考え方、行動パターンやコミュニケーションのパターンを紹介している。しかしながら、それらは普通の人のやり方とは正反対のものだ。

 シネック氏は、有能なリーダーに共通するやり方を「ゴールデンサークル」と呼び、その特徴として「何」ではなく「なぜ」という疑問から始める点を挙げている。この方法を使うことにより、リーダーは人を鼓舞し、彼らが自ら進んでそのリーダーに従いたくなるような気にさせることができる。具体例として、アップル社、マーティン・ルーサー・キング牧師、ライト兄弟のコミュニケーションスタイルを分析している。

キーフレーズ解説

Change the course of...
~の成り行きを変える
(動画9:42より)

 change the course of...は、何か進行中のプロセスや流れの方向に影響することを意味しています。courseは、船や飛行機の場合は針路や航路を意味し、川の場合は川筋、そして今回のようにもっと抽象的な場合には、流れや歩みを意味します。

 シネック氏はライト兄弟について紹介している時にこの表現を使用しています。ライト兄弟が信じたのは、もし飛行機を作る方法を解明できれば、it will change the course of the world.(世界の成り行きを変える)ということでした。

 ここで、典型的な使用例を紹介します:

●The Army Corps of Engineers decided to change the course of the river using several dams.
(陸軍工兵部隊は複数のダムを使って川筋を変えることにしました)

●The assassination of Archduke Franz Ferdinand changed the course of history.
(フランツ・フェルディナント大公の暗殺が歴史の流れを変えました)

●Te new medicine changed the course of the disease in her body.
(その新薬は彼女の体の中で病気の経過に変化を与えました)

 似た表現ですが、意味が微妙に違うのはchange course。その意味は、飛行機、自動車、船などの動いているものが針路を変えるということで、もっと抽象的に使われる場合は「方向を変える」という意味になります。

 ここで、典型的な使用例を紹介します:

●The warship suddenly changed course and headed North.
(軍艦が突然、針路を変えて北へ向かいました)

●When his first venture failed, he decided to change course and try something completely different.
(最初のベンチャー企業が失敗した時、彼は方向を変えて、まったく違うものにトライすることにしました)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国首相「関税が世界の経済活動に深刻な影響」、保護

ビジネス

アングル:債券投資家が中期ゾーン主体にポジション修

ワールド

アングル:FRB次期議長、インフレと利下げ要求の板

ワールド

リトアニアが緊急事態宣言、ベラルーシの気球密輸が安
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 10
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story