- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- バス事故頻発の背景にある「日本式」規制緩和の欠陥
バス事故頻発の背景にある「日本式」規制緩和の欠陥

規制緩和が過当競争を引き起こし、バス事故の頻発につながっているという批判が出ている Juergen Sack-iStock.
先週の軽井沢スキーバス事故の後、安い運賃で運行しているツアーバスの事故が頻発していることを受けて、規制緩和が誤りだったという声が出ています。中には、こうした規制緩和がアメリカ流の「拝金主義」や「新自由主義」による人命軽視の思想から出ているという批判や、あらためて官庁による強い規制を復活させるべきだという声もあるようです。
では、規制緩和は誤りだったのでしょうか? 市場の購買力が下がって格安運賃へのニーズが高まる、その一方で中高年労働力の市場でも価格破壊が進行するという現状の流れの中では、違法な安値競争が起こるのは「市場原理としては仕方がない」ので、あらためて政府の検査体制を拡充するしかないのでしょうか?
ここに「日本式」の規制緩和の問題が横たわっています。例えば、小泉内閣の時代に、様々な業種での規制緩和が進行した際には、「政府が何もかも介入するのは間違いで、これからは消費者が賢くなるべきだ」といった議論がありました。そして、当時の世論は「岩盤規制の愚かさ」に怒っていたので、その種の議論が説得力を持っていたのです。
ですが、このような一方的な規制緩和というのは日本独特のものです。「本家」扱いされているアメリカでは、そこまで無責任な考え方にはなっていません。
規制緩和を進め、政府の監督体制を簡素化する場合には、商品販売の場合はその品質を、また輸送機関の場合は安全確保や定時性の確保などを「保証する」システムがなくてはなりません。規制緩和をする、つまり「小さな政府」によって社会を動かしていく場合には「行政以外のチェック体制」が必要となります。
それは「民事裁判制度」です。民間の活動の中で、一方が他方によって損害を被った場合には、民事裁判に訴えて、判決なり調停を受けて紛争を解決する、そしてその解決策には強制力が伴っているのです。
例えばアメリカの場合は、「懲罰賠償制度」というものがあり、民間のトラブルであっても一方に大きな過失や故意が認められる場合は、金銭的なダメージの保障という額を遥かに超えた巨額の制裁を科すことがあります。これは、被害者を救済するためというよりも、そのような過失や故意による被害の発生を「未然に防止する」よう誘導することを狙ったものです。
施政方針演説で気を吐くトランプに、反転攻勢の契機がつかめない米民主党 2025.03.06
令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくなる? 2025.02.26
ニューヨーク市長をめぐる裏切りのドラマがリアルタイムで進行中 2025.02.19
トランプの政策に日本の現状を重ねて共感するのは、とんだお門違い 2025.02.12
石破首相は日米首脳会談でガザ難民受け入れ問題をスルーするべき 2025.02.06
「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由 2025.01.29
驚きの大統領就任演説、インフレ退治を約束したトランプ 2025.01.22
-
「外資系」ITヘルプデスク「英語:中級以上」/ITコンサルティング
エイラシステム株式会社
- 東京都
- 年収400万円~650万円
- 正社員 / 契約社員
-
東京都港区/外資系企業での一般事務・庶務業務
日本アスペクトコア株式会社
- 東京都
- 月給21万7,200円~
- 正社員
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員
-
経理マネージャー 外資専門商社「自動車、エレクトロニクス、アパレル等」
外資専門商社
- 東京都
- 年収900万円~1,200万円
- 正社員