- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 「維新」の「小さな政府論」はどうして行き詰まったの…
「維新」の「小さな政府論」はどうして行き詰まったのか?
大阪市に関する「市の解体と5区の設置」を問う住民投票は否決に終わりました。橋下徹市長は政界引退を表明し、同時に江田憲司・維新の党共同代表も辞任するという声明を出しています。これは、大阪の府市合併論が行き詰まっただけでなく、「維新」という政治勢力の行き詰まりでもあります。
私は「維新」、特に「大阪維新」に関しては、大阪以外の地方の活性化に応用できる点が少ないことや、大阪の実体経済成長への計画が具体的でないことから、積極的な支持はして来ませんでした。ですから、今回の「行き詰まり」に関して大きな感慨はありません。
ですが、1つだけ気になることがあります。それは「維新」とは「小さな政府論」だったということです。
日本には「右も左も大きな政府」という政治風土があります。まずリベラルな立場には福祉の充実や再分配による格差の是正など「大きな政府論」が根本にありますが、これは世界各国ほぼ共通の現象だと思います。一方、日本では保守の立場も「公共工事で景気浮揚」とか「お札をどんどん印刷してデフレ脱却」という発想法が根本にあり、こちらも「大きな政府論」になっています。
その中でこの「維新」という政治勢力は、日本では珍しい「小さな政府論」を掲げた勢力でした。今回は、その「小さな政府論」が行き詰まったということです。何故なのでしょうか?
今回の住民投票結果を受けての多くの論評にも見られましたが、行政サービスや福祉による給付など、市や府から「受け取るほうが多い」層に比べて、納税によって市や府にカネを払っている層が限られるという問題は確かにあると思います。
大阪市内に関して言えば、南部は「反対」で、北部は「賛成」ということですし、年齢的にも60代以下は基本的に賛成が多かったというコントラストが、その「プラス・マイナス」という要素を物語っています。
これに加えて、維新勢力が「小さな政府論」を推進するイデオロギーとして、右派的なものだけに頼っていたということがあると思います。犯罪加害者への人権上の配慮に反対するとか、歴史認識で修正主義の立場に接近するというのは、確かに「大きな政府論」の中核にある「官公労的な既得権」イコール「左派イデオロギー」とのケンカを通じた求心力にはなったかもしれません。
ですが、実は「維新」が見落としていたものがあります。それは、日本の政治風土においては、財政規律の重視というのは、右か左かといえば、どちらかと言えば「左」の思想、つまり土着の保守主義ではなく、ハイカラな理想主義の中に「僅かな存立基盤」を持っているという点です。
ニューヨーク市長をめぐる裏切りのドラマがリアルタイムで進行中 2025.02.19
トランプの政策に日本の現状を重ねて共感するのは、とんだお門違い 2025.02.12
石破首相は日米首脳会談でガザ難民受け入れ問題をスルーするべき 2025.02.06
「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由 2025.01.29
驚きの大統領就任演説、インフレ退治を約束したトランプ 2025.01.22
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
-
船舶代理店業務/外資系船会社/未経験OK
日本海事検定グローバルサポート株式会社
- 東京都
- 月給26万円~36万円
- 正社員
-
外資インフラベンダー PM/システムエンジニア/詳細設計/サービス関連の会社/Windows
株式会社スタッフサービス
- 東京都
- 月給23万5,000円~55万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
英語活用/豊島区/アカウントマネージャー・外資企業向け/教育制度充実/年休121日
トランス・コスモス株式会社~プライム市場上場企業~
- 東京都
- 年収600万円~800万円
- 正社員