- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- はしかの流行が暴露したアメリカの予防接種の実態
はしかの流行が暴露したアメリカの予防接種の実態
2007年の日本での「麻疹(はしか)」の流行に際しては、日本の子供たちへの麻疹予防接種の接種率低下が大きな問題になりました。低下の原因は、予防接種による副反応が過剰にメディアで取り上げられる中で、厚生労働省が一斉接種を一時期断念させられていたことにあります。
流行が深刻になるにつれて、こうした経緯がようやく反省され、高校生への追加接種を含む対策が実施されるようになりました。日本での流行はまだ続いていますが、現在では散発的で小規模なものとなっています。
その当時、例えば日本からアメリカの少年スポーツ大会に遠征したチームの中に麻疹の感染者がいたために、アメリカでの感染を広めたとして一部で問題になる事態も起こりました。
この頃のアメリカでは、MMRという麻疹を含む三種混合ワクチンの接種は強制的に行われており、麻疹に関しては事実上の収束状態にあるとされていたのです。ですから、余計に日本での流行という現象はアメリカをはじめとした国際的な批判を受けることになりました。
ですが、そのアメリカで昨年から急速に麻疹が流行しています。アメリカの中央官庁であるCDC(米疾病予防管理センター)の最新の発表によれば、13年までのアメリカにおける麻疹の感染者数は「年間100人以内」で推移していたものが、14年には急速に拡大して「年間644人」というハイペースになっています。
特に昨年12月には、テーマパークの集団感染が発生したカリフォルニアで50人の感染が確認されています。更に年が明けて今年になると、1月の1カ月で「感染数が105人」と感染が加速し、一気に社会問題化しました。
現在のところ、CDCの発表によれば、直接の要因は「海外から感染した旅行者が継続的に流入」していることであり、この流れは「ゼロにはできない」一方で、「国内においてワクチン未接種の人口が増えていることが流行拡大の原因」だという問題提起をしています。
というのは、07年に日本での流行が問題視された際には、アメリカでのMMRの接種率はほぼ100%であるという前提で議論がされていたわけですが、実際の接種率は低下してきていることが調査の結果として判明したからです。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員