グラフでわかる、当面「円高」が避けられないただ1つの理由
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〔ここに注目〕物価
為替市場において円高が進んでいる。マイナス金利が発表された直後は、1ドル=120円まで下落したものの、その後、マイナス金利の弊害が強く意識されるようになり、一気に円高となった。ニュースには「安全資産への逃避」「リスクオフ」などの見出しが並んだが、日米欧の中でもっとも景気が悪い日本市場が避難先という話には、違和感を覚えた人も多いかもしれない。現在、円高は一服しているが、しばらくは混乱が続く可能性が高い。ここは少し冷静になり、為替市場のメカニズムについて理解を深めておくことが重要だろう。
理論的な為替レートを超えて円安になることはない
為替は様々な要因で動いているので、一概に何によって為替が決定されているのかについて示すことは難しい。為替を動かす要因としては、「二国間の金利差」「マネー供給量」「物価」などがあるが、これに加えて経常収支の動向やファンドの買いといった実需要因が影響することもある。しかし長期的に見た場合、為替が何によって動いているのかはほぼ明白である。それは「物価」である。
為替と物価の相関性が高いことは、いわゆる「一物一価」の原理で説明することができる。物価が高い国の為替は安くなり、物価が安い国の為替は高くなるという単純な理屈だ。一物一価に関してよく引き合いに出されるのが、各国のマクドナルドの価格を比較した、いわゆるビッグマック指数である。もし、一物一価の原則が成立するならば、ある国のビッグマックの価格が永遠に上昇することはあり得ない。物価が上昇した国の通貨は下落し、物価が下落した国の通貨は上昇することで、最終的にビッグマックの価格は一定レベルに収束することになる。
これを為替に適用したものが購買力平価の為替レートということになるが、このレートは長期的に見ると現実の為替レートと高い相関性を示している。二国間のマネタリーベースの差(いわゆるソロス・チャート)など、他の要因については、適用できる局面とそうでない局面が混在しているが、物価に関してはほとんど例外がない。少なくとも長期的には為替は物価の差で決定されるとみて差し支えない。金利差についても、物価動向が金利を決める要因のひとつになっていることを考えると、結局のところ為替は物価に収束すると考えてよいだろう。
ドル円相場は、1971年のニクソン・ショックをきっかけに固定相場制が実質的に崩壊。73年に変動相場制に移行してからは、一貫して円高ドル安が続いてきた。それ以降のドル円の動きは、日米間の物価上昇率を元にした購買力平価の為替レートと綺麗に連動している。
1985年のプラザ合意以降、為替介入などで一時的に円安になることはあっても、購買力平価による理論的な為替レートを超えて円安になることはなく、基本的に円高トレンドが継続してきた。
90年代初頭の日本のバブル崩壊以後、米国は順調に経済成長を続け、穏やかなインフレが長期にわたって続いている(リーマンショックという一時的例外はあるが)。一方、日本は長期のデフレに悩まされており、経済水準も物価もずっと横ばいであった。米国の物価と日本の物価に乖離が生じていることから、為替レートがこれを調整してきたのである。
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