独失業者、3月は前月比+2.6万人 昨年10月以来の大幅増

3月28日、ドイツ連邦雇用庁が発表した3月の失業者数(季節調整済み)は前月比2万6000人増の292万人と、昨年10月以降で最大の増加を記録した。写真は、ユネスコ世界遺産のバウハウス建築家の事務所。2022年3月、ドイツ東部のデッサウで撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay)
[ベルリン 28日 ロイター] - ドイツ連邦雇用庁が28日発表した3月の失業者数(季節調整済み)は前月比2万6000人増の292万人と、昨年10月以降で最大の増加を記録した。
長期的な労働力不足にもかかわらず、景気低迷が労働市場の重しとなった。
ロイターがまとめた市場予想は1万人増だった。
失業率(季節調整済み)は前月の6.2%から6.3%に悪化。ロイターがまとめた市場予想をわずかに上回った。
連邦雇用庁のナーレス長官は「労働市場の『春の回復』は例年3月に始まるが、今年は景気低迷で労働市場の回復が著しく遅れている」と述べた。
ドイツ経済は昨年まで2年連続でマイナス成長を記録。産業の低迷と構造的な逆風が続いている。
3月の求人件数は64万3000件で、前年同月を6万4000件下回った。労働需要の鈍化が浮き彫りになった。
同国では自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)などが需要低迷を理由に人員削減を実施。トランプ米大統領は26日、輸入車に25%の関税を課すと発表した。
ムーディーズ・アナリティクスの経済調査ディレクター、ガウラブ・ガングリー氏は、ドイツが直接的なターゲットになっていると指摘。「この政策が続けば、自動車部門だけでなく、他の部門でも消費者信頼感や雇用に深刻な影響が及ぶ」と述べた。